分娩医療機関4割減 リスク高く激務 医師負担重く なり手不足=新潟

2014.07.10

分娩医療機関4割減 リスク高く激務 医師負担重く なり手不足=新潟
2014.07.09 読売新聞



 新潟県内で分娩(ぶんべん)を取り扱う医療機関が減り続けている。今年は、3月から厚生連豊栄病院(新潟市北区)が、4月からは県立吉田病院(燕市)が産婦人科医不足を理由に休止した。

人口減少が進む中、安心して子供を産める環境整備は急務になっている。(浜田萌)

 県病院局によると、吉田病院では3月末、常勤の産婦人科医2人のうち1人が退職した。

早産などのリスクが高い分娩を取り扱う上、当直勤務もあって、1人では対応できないと判断し、休止した。

 分娩取扱数は2011年度に55件、12年度に54件、13年度に41件あった。

昨秋から後任を探したが間に合わなかったという。

同局業務課の三林康弘課長は「後任を確保し次第、再開したいが、産婦人科医が少なくメドが立っていない。厳しい状況だ」と打ち明ける。

 燕市を含む県央医療圏では、同病院の休止により分娩が可能な病院は一つ、診療所は四つとなった。

身近な場所で産みたいという妊産婦の選択肢がより少なくなった。

 県立の15病院のうち産婦人科があるのは8病院だが、既に加茂(加茂市)は04年に、坂町(村上市)が07年に分娩の受け付けを停止し、医師不足により今も再開していない。

 県産婦人科医会によると、県立病院を含め、分娩が可能な医療機関は1998年に42病院、38診療所あった。しかし、年々減り続けており、2002年には37病院、37診療所、今年5月現在では23病院、23診療所と約4割も減った。

 国の調査によると、12年末の県内の産婦人科医は156人。

県内では産婦人科医が慢性的に不足しており、出産適齢期にいる15~49歳の女性人口10万人に対する医師数も12年末現在で35・3人と、全国43位だ。

 同会の児玉省二会長(65)は、「産婦人科医は24時間態勢で出産に備えなければならず、勤務医の場合は当直勤務の負担も大きい」と指摘する。

 県内では1999年に死亡数が出生数を上回ってから「自然減少」が拡大しており、出生数を増やすことは、人口問題対策の大きな課題となっている。

 内閣府で少子化対策を担当した岡山県立大の増田雅暢教授(60)(社会保障論)は、「子供を産み育てやすい環境作りは少子化対策や人口減対策にも必要だ」と述べた上で、「産婦人科医の負担が大きい現状もあるので、地域医療計画で適正配置をする県の責任は大きい」と話す。

 児玉会長も、「医学部生に産婦人科医の魅力を伝え、志願者を増やすことがまず大切だ」と訴えている。