医学部新設 3者の構想聞き取り 教育内容や定着策を質疑 文科省審査会

2014.07.05

医学部新設 3者の構想聞き取り 教育内容や定着策を質疑 文科省審査会

2014年07月05日河北新報

 
 東北への大学医学部の新設に向け、文部科学省による構想審査会(座長・遠藤久夫学習院大経済学部長)の第2回会合が4日、同省であった。

新設構想を提出している郡山市の一般財団法人脳神経疾患研究所、仙台市青葉区の東北薬科大、宮城県から、構想の内容について聞き取りを実施。
併せて日本医師会からもヒアリングを行った。

 審査は非公開。脳神経疾患研究所は渡辺一夫理事長ら、東北薬科大は高柳元明理事長らが出席。
宮城県は村井嘉浩知事と宮城大の西垣克学長が臨んだ。
 

渡辺理事長は会合後、「原発被災県の福島に医学部をつくる必要性は伝えられた」と強調。
「低線量被ばくの妊婦や子どもへの影響は、まだ分からない」と話し、福島県立医大などと追跡調査をする意向を示した。
 
高柳理事長は「地域医療に貢献できる学生を集める方策についてアピールした」と説明。
同席した東北薬科大の濃沼信夫教授は「卒業後は循環型臨床システムでスキルアップを図る」と述べた。
 
村井知事は「東北全体で学生を育て、地域完結型の新しい医学部をつくるべきだと訴えた。
東北の自治体病院で患者に接する経験を積み、地域医療を支える志を高める教育をしたい」と語った。
 

遠藤座長は、3団体に共通して多かった委員の質問として

(1)卒業生の東北への定着策

(2)地域医療に支障を来さない医師や看護師の確保策-などを挙げ、「それぞれに特徴があり、インパクトがあった」と総括した。
 
審査会の第3回会合は15日。

岩手県、福島県、東北市長会、東北大、岩手医大、福島県立医大から意見を聞く予定。




////////////////////////////////////////////医学部新設 東北/文科省、あす第2回構想審査会/制度設計、三者三様/東北薬科大、脳神経疾患研、宮城県/東北への大学医学部新設に向けて文部科学省は4日、構想審査会の第2回会合を開き、新設に名乗りを上げて
2014.07.03 河北新報



医学部新設 東北/文科省、あす第2回構想審査会/制度設計、三者三様

東北薬科大、脳神経疾患研、宮城県

 東北への大学医学部新設に向けて文部科学省は4日、構想審査会の第2回会合を開き、新設に名乗りを上げている東北薬科大(仙台市)、一般財団法人脳神経疾患研究所(郡山市)、宮城県からヒアリングを行う。3者が文科省に提出した資料に基づき、新医学部の詳細を紹介する。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・◎東北医科薬科大(東北薬科大)/開学7年目以降に黒字

 開学に要する費用は241億円。自己資金217億円に加え、宮城県からの補助金30億円を見込む。
開学から6年間は赤字だが、その後は安定的に黒字になる。

 入学定員は100人。当面は東北出身者限定の「復興支援特別枠」20人を増員する。

 キャンパスは付属病院の隣接地を買収、賃借する。既に地権者とは条件面で合意した。教員180人で34講座を置く。

 付属病院は現在466床。
仙台圏内の複数の病院と譲り受けに関する合意書を交わしており、これらを第2、第3の付属病院として活用する。将来的には統合して600床以上を確保する。

 臨床実習は、国立病院機構仙台医療センターと東北労災病院(仙台市)から協力の内諾を得た。

 東北大の東北メディカル・メガバンク機構、福島県立医科大のふくしま医療科学センター県民健康管理センター、放射線医学総合研究所(千葉市)との連携も模索する。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・◎国際復興記念大(脳神経疾患研)/財団寄付で用地も確保

 開学費用は校舎建設など93億円。
財団傘下の医療機関から計100億円超の寄付を受ける。

 入学定員は臨時定員の20人を含めて90人。
2年次に10人の編入枠を設ける。
東北の地域枠は各県11人。
さらに福島県に9人の重点枠を割り振る。

 キャンパス用地も財団からの寄付などで確保する。

学長には元慶大教授で日本生殖医学会の吉村泰典理事長、医学部長には須田年生慶大教授の就任を予定する。

 付属病院の母体となる南東北病院は635床、35診療科。今後、総合周産期母子医療、地域医療支援、総合診療の各センターを整備する。

 臨床実習は付属病院で対応可能だが、災害医療実習は、いわき市立総合磐城共立病院、竹田総合病院(会津若松市)、白河厚生総合病院(白河市)から受け入れの了承を得た。

 東北大や福島県立医科大、東京理科大、北海道医療大からも連携の了解を得た。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・◎宮城大(宮城県)/東北出身は開学時8割

 開学費用は付属病院建設費などに270億円。

 入学定員は60人。開学当初の東北出身者の割合を8割程度と見込む。栗原市のキャンパス用地は地権者の同意を得た。
教養課程は大和キャンパスの活用も想定する。

 付属病院は、栗原中央病院と県立循環器・呼吸器病センターを母体に大崎・栗原医療圏の余剰病床を合わせて600床。
医師185人、看護師550人、事務局員55人程度を想定する。

 県内の大崎市民、登米市立、石巻市立、公立志津川、気仙沼市立、仙台医療センター、仙台市立、県南中核、公立刈田総合、仙台厚生の各病院との連携を検討する。

過疎地や被災地での医療実習は栗駒、若柳、気仙沼市立、気仙沼市立本吉、石巻市立の県内各病院への依頼を想定する。

 放射線医学教育は仙台厚生病院を通じて公立相馬総合、相馬中央、南相馬市立総合、いわき市立総合磐城共立の各病院への要請を検討する。