「地域包括ケアを見据え、かかりつけ医の機能を強化」 再選の横倉会長が語る日本医師会"3つの方針"

2014.07.22

「地域包括ケアを見据え、かかりつけ医の機能を強化」

再選の横倉会長が語る日本医師会“3つの方針”

国家戦略特区における医学部新設には改めて反対


2014/7/21

増谷彩=日経メディカル 
 

 
 日本医師会会長の横倉義武氏

 日本医師会は7月18日に記者会見を行い、6月28日に無投票再選が決まった横倉義武会長が講演した。その中で、横倉氏は今後の日本医師会の方針として

(1)組織力の強化、

(2)かかりつけ医を中心とした街づくりによる地域医療、

(3)2025年を見据えた地域包括ケアの推進の3点を挙げ、「これから2年間の任期でも引き続き、国民皆保険の堅持を主軸に、真に国民に求められる医療提供体制の実現に向けて努力したい」と意気込みを語った。

 横倉氏は、「これまで、地域の行政と医師会が連携してさまざまな医療、今後の高齢化を見据えた介護を行っていかなければならないと言い続けてきた。

これが地域包括ケアシステムという形で実を結びつつある」と期待感を示した上で、行政と地域の医師会が連携し、かかりつけ医を中心とした街づくりが同システムのあるべき姿であると表明。
医師会としても、かかりつけ医に求められる総合的な能力を習得させるための研修などサポート体制を整えていくという。

 かかりつけ医の機能を強化するための体制として、「診療所医師のグループ形成、かかりつけ医と患者の緩いマッチングなどを地域医師会にお願いしたい」(横倉氏)。

また、かかりつけ医、総合医、家庭医、総合診療医などの各呼称については、「それぞれの機能の違いをはっきりさせ、機能が同じものについては国民に分かりやすい呼称の統一を行うべき」と主張した。

 かかりつけ医の育成は、国の債務が1000兆円を超し、労働力人口も減少すると目される2025年ごろの少子高齢社会への対応策の1つとしても位置付けられている。他にも「地域の実情に応じた地域医療ビジョンの策定などを通じて、国民が必要な医療を過不足なく受けられるようにしていく」と語った。

都道府県別の医療費の支出目標を設定することについては、「適切な地域医療を提供する阻害要因となる恐れがある」とし、今後も日本医師会として反対していく方向だ。
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「地域包括ケアを見据え、かかりつけ医の機能を強化」

再選の横倉会長が語る日本医師会“3つの方針”

国家戦略特区における医学部新設には改めて反対


2014/7/21

増谷彩=日経メディカル  また、経済財政諮問会議や産業競争力会議などで検討されている様々な施策について、「日本医師会の政策の判断基準は

(1)国民の安全な医療に資する政策か、
(2)公的医療保険による国民皆保険は堅持できる政策か、の2点。

保険外併用療法の拡大や薬価改定を毎年実施するなどの提案もあるが、日本医師会は今後もこの基準で国からの提案に対応していく」と言う。

 医療における控除対象外の消費税については、設備投資などによる消費税負担が、特に急性期病院へ大きなダメージを与えていると指摘し、「患者負担、国民負担、保険者負担を増やすことなく税制によって抜本解決されることを要望する」とコメント。

日本医師会は、この課題への対応策として、現在(1)課税でゼロ税率、(2)課税で軽減税率、(3)非課税で全額還付、(4)非課税で一部還付という4つの枠組みから選択または組み合わせることを検討しているという。

 

なお、国家戦略特区における医学部新設については、

「東北地方については従来より医師不足が深刻であること、東日本大震災による被災によって大きなダメージを受けたことから復興支援の意味でも医学部を新設するというのは理解できる。
しかし、国家戦略特区に医学部を新設すれば、教員確保のため医療現場からさらに多くの医師を引き揚げなくてはならなくなるし、定員数の変更と違い、人口減少などの社会の変化に対応した医師養成数の柔軟な見直しが行いにくくなる」と語り、改めて反対の姿勢を示した。