県内40医療機関 患者情報ネットで共有 医師会導入 年内にも本格運用

2014.07.04

県内40医療機関 患者情報ネットで共有 医師会導入 年内にも本格運用
2014.07.03 茨城新聞


県医師会(小松満会長)は、県内の医療機関がインターネットを経由して患者の診療情報などを共有できるシステム「いばらき安心ネット」(iSN)を導入した。

複数の医療機関が、診察履歴や検査結果などの患者情報を双方向でやり取りできるのが最大の特長。

病院と診療所の連携システムが確立されることで、退院後も円滑に治療を引き継ぐことができると期待される。県内40医療機関が参加し、年内にも本格運用を始める。

iSN導入は超高齢社会を見据え、地域や在宅で適切な医療・介護サービスを提供できるよう連携体制を整えるのが目的。人口10万人当たりの医師数が全国ワースト2位の本県の医療事情も踏まえ、限られた医療資源を効率よく生かすためIT(情報技術)を活用する。

iSNには、県立中央病院(笠間市)や筑波大付属病院(つくば市)など9つの中核病院を中心に計40医療機関が参加する。

医療機関ごとに患者の同意を得た上で、患者の病名や処方内容、検査結果、アレルギー情報、入退院履歴などの必要な情報を各医療機関に設けたサーバーを介して専用サイトで共有。

紹介状などの医療文書も交換できる。

例えば、病状が安定して入院していた病院から診療所のかかりつけ医の元に戻って治療を続ける場合、医療機関間で情報共有しているため、患者は同じ検査を何度も受けなくて済み、継続的な治療を受けられる。

iSNを利用するには日本医師会が発行する「医師資格証」を必要とし、専用ネットワークを使うなどして安全性も確保した。

同様のシステムを県単位で導入するのは全国的にも珍しく、国の地域医療再生臨時特例交付金1億5千万円を活用して整備した。

県医師会では、在宅医療の充実化を図るため、介護施設や薬局、歯科医、検査会社などとの連携も検討していく。

小松会長は「本県は医師をはじめ医療従事者が非常に少ない。少ない人員で対応するためには医療関係者の連携が最も重要だ。今後は参加する医療機関を拡充していきたい」としている。(戸島大樹)