東北地方における医学部設置に係る構想審査会(第1回)議事録 

2014.07.11

東北地方における医学部設置に係る構想審査会(第1回)議事録  平成26年6月16日



【桐野委員】  必要な条件として幾つかの要件,つまり,普通の医学部の設置と少し違う点が挙げられていて,第1に挙げられるのはやはり震災のことなのですけれども,もちろん震災後いろいろな意味での支援をしなければならないということについて,反対する者はいないと思うのですけれども,一方で,医学部新設による効果が出るのは20年後というようなことがございました。

震災後既に3年がたっていて,医学部ができるのは震災後4年,それから,6年後に新しい学生が出てくるとなれば,震災から10年後に学生が出てきて,その後,初期臨床研修制度を終え,専門医研修を終えて15年,そのあたりでほぼ一人前に近くなるということであれば,その頃まで効果がなくて,その後で東北地方だけに固有の課題がどれぐらいあるのかということも,一応考えておかないといけないと思うんですね。
  

阪神・淡路のときも復興は大変で,どれぐらいたってからほぼ復興したなという感覚があった,出たかというと,20年ぐらいたったときであったというから,恐らく同じような感じではないかと思うんですね。

そういう意味で少しこのタイムスパンの感覚が合わないような感じがするので,この点をどれぐらい留意すればいいのかということについて,つまり,どれぐらい重視すればいいのかということについて少し分かりにくい。それが1点ですね。
  

第2点は,地域に医師を供給する仕組みというのは,今,日本には強制力を持ったものはないに近いと思います。
地域枠の制度や何かはもっと突き詰めていけば,医学部学校群制度を作るようなもので,本当にうまくそれが作用するかどうか若干の疑問があります。

これを突き詰めていくと,1県1大学,医師はその県の大学に行くこと,というようになってしまう可能性があって,一方で大学教育というのはグローバル化しているわけでありますから,どうもその流れと逆行するような感じがして,その点をどの程度重視するのかということがあります。
つまり,非常に特殊な大学を作るのか,それともごくスタンダードな基準の医学教育をする大学を1校だけ,今回の災害,震災に鑑みて国として作るということなのかがよく分からない。
  

それから,3点目は,東北地方からの医師や,あるいは看護師を確保するということを控えろというようなことが書いてございますが,果たして東北地方に,東北大学のメンバーを入れないで良い大学ができるのかなという点で少し疑問があって,これはどの程度のことを求められているのか,つまり,ある程度数値目標的なこととしてお考えなのかどうかを教えていただきたい。

その3点,教えてください。
 

【遠藤座長】  それでは,今,御質問を伺っているわけですけれども,ただ,御質問の背景には必ず御意見がありますから,当然,御意見と御質問とが混ざった形になります。
ある意味で非常に重要な御質問を頂いていると思います。
本来,その案件についてはこの検討会で議論する内容もあると思うのですけれども,一方で,これが出てきた背景の中で今のようなことがどのように考えられていたのかということ,その辺について分かる範囲で教えていただければということだと思いますので,よろしくお願いします。
 
【袖山医学教育課長】  今,座長にお話を頂きましたように,まさに今,桐野委員から御指摘いただいた点につきましては,この構想審査会の中でどういった点をより重視していくべきかを御議論いただき,その議論の方向性に沿って御審査を頂きたい内容だと思っている次第でございますけれども,そういった震災対応というところで短期的に必要とされるというような事柄が当然ございます一方で,医学部の人材養成という観点からいたしますと,どうしても中長期的な観点で考えなければいけないということが出てまいります。
  
そういったところのバランスというところを,この構想の中でどのようにとっているのかということは,非常に大きなポイントであろうと思っております。

また,どの程度地域需要というものに着目して,そこに特徴ある大学としようとしているのか,あるいはもう少しスタンダードな大学を作ろうとしているのかということについても,先ほど申し上げました基本方針との関係で,どのように大学は整理をしているかというのは,ポイントになってくるのではないかと考えているところでございます。

そういった意味では,我々の方でこういった方向でというよりは,そこの部分については是非御審議,御審査の中で御議論を頂いて,それに基づいて審査していただきたいと考えております。
 【遠藤座長】  ありがとうございました。
  桐野委員,何かございますか。
 

【桐野委員】  いや,実際は1校を選考しないといけないと考えたときに,一番,自分として分からないのは,位置付けのかなりはっきりした特殊な大学を選ぶことが今回は重要なのか,それともごく標準的な意味で医学教育をきちっとできる大学を選ぶのが今回の重要なポイントなのかということです。
 
【袖山医学教育課長】  先ほど申しましたように,今回の東北地方に医学部を新設する目的というものを示させていただいているところでございますけれども,ある意味非常に理念的な,大きな目的ということで書かせていただいておりますので,その目的を達成するために,どういった大学像というものがふさわしいのかというところが,当然重要になってくるわけでございます。

そこで我々が事務方として非常に特殊なものの方がいい,あるいはある意味スタンダードに近いものの方がいいということを申し上げるというよりも,そこの具体的な部分については是非各先生方の御意見の中で審査を頂きたいと思っておりますし,そういった観点の中でどちらをより重視していくべきかについても,本日,またこれからの構想審査会の中で御議論を頂きたいと思っております。
 【遠藤座長】  ありがとうございます。したがって,評価の視点を考えるということもこのミッションの一つだということでございます