近寄るな、危険!悪徳病院&ダメ医者の見分け方●富家孝

2014.06.21

近寄るな、危険!悪徳病院&ダメ医者の見分け方●富家孝
2014.06.30 プレジデント

医療もビジネス、医者は商売人である

 ご存じのとおり、いまは公立病院でさえ倒産する時代。大規模病院がこうなのだから、今後、中小規模病院の倒産や廃院が増え続けるのは確実です。

倒産や廃院の原因の多くが、患者数の減少と不況による経営悪化。これこそが、医者と医療をダメにする最大原因なのです。

 経営悪化は医療の質を低下させ、さらには医者のモラルも低下させる。モラルの低下した医者(経営者)は、患者を人間と見ずに被験者として扱うことも。

保険料の不正請求は日常茶飯事化し、医療従事者を削減して、患者よりも経営=お金を最重要視するようになります。

医療従事者の不足は、医療過誤を引き起こしやすくする。
そういった危険な病院(医者)に遭遇しないためには、「健康である」ことが第一ですが、誰もが医者にかかる可能性があるため、患者側の自衛策として、「医療もビジネス」=商売である、と頭に叩き込むことが大切なのです。

 一般企業がそうであるように、病院経営も儲けがなければ先はない。
儲けるためには患者を増やし、通い続けてもらうことが必要。
だから医者は、薬を大量に処方し、不要な検査を繰り返し、いつまで経っても「もう来なくていいですよ」と、宣言しない。
なぜなら、医者は患者が健康になると儲からない仕事だから。
もちろん、すべての病院や医者が悪徳なわけではありません。
給料は二の次、患者のために身を粉にして働いている医者も多くいることを忘れないでください。

 いま、人々が「名医」と呼ぶのは「手術がうまい」医者であることが大半。
また、最新機器を駆使して治療に当たってくれる病院を「いい病院」と呼ぶことも。
これは、医療がかつてより高度化、専門家したからです。
内科系の医者であれば、最新画像診断の分析力、判断力が求められ、外科医であれば、難しい手術を成功させる力量が求められる。

いざというとき、メディアで紹介されるような「神の手」を持つ名医にお願いしたいと思うのは誰しも同じ。しかし、すべての患者の希望が叶うわけではありません。
だからこそ、少なくとも金儲け主義、腕の悪い「悪徳病院やダメ医者」を見分ける力だけでもつけなくてはいけないのです。

 とくに民間の個人病院では、金儲け主義に陥るとそれなりの傾向が表れてきます。

「いつもすいている病院」は、もはや論外。
ただし、すいているのを隠そうと患者のサクラを雇い、いかにも繁盛しているように見せる病院もあるから要注意です。

豪華な待合室や、最新機器の多さに惑わされてもダメ。設備投資は経営を圧迫します。経営者であれば、少しでも早く「元を回収」しようと考えるのは当然。ちょっとしたことでも最新ハイテク機器で検査しようとする病院なら、「カモ」にされていると思っていいでしょう。利益を挙げられる病院(医者)というのは、人件費をうまく切り詰めているか、節税対策がしっかりしている病院(医者)だけ。「利益と患者サービスは相反する」と知れば、病院にかかったとき自ずと冷静になれるはずです。

 私はかねてから「医者の常識は世間の非常識」と公言しています。
医者の多くが、自分は社会的ヒエラルキーの上位にいると思い込んでいること、さらに勉強ばかりしてきたことで、他人とのコミュニケーション能力が極めて低い傾向にあるから。

しかし、医者とは本来はサービス業であり、患者と医者の関係は消費者とサービス提供者にすぎない。
なのに、多くの医者は消費者である患者を見下している。病気というものは少なからず人間の心理も影響します。“病状をきちんと説明したうえで患者を励ますことができる”コミュニケーション能力の高さも、「名医」の条件。
しかし、現在はこれができない医者が多いから問題なのです。


「大学教授だから腕がいい」は、根拠なし

 多くの医者は偏差値エリート意識が高いため、「自分たちに間違いはない」と思いがち。
医療事故が起こった際には、つじつま合わせをする傾向にあります。
明らかに病院(医者)側のミスであっても絶対に認めず、正当性を主張する医者も。その心ない仕打ちが被害者側を何度も傷つけていると、彼らは決して気づくことはありません
。私の息子も医療過誤の被害者。データ取得のためか、常識はずれの不要な検査により引き起こされた被害です。
その経験もあり、世間と医者の常識のズレを痛感しているのです。

 大学病院や大学教授の肩書を持つ医者なら問題ないというわけではありません。
日本人は個々の医者の実力よりも「肩書とブランド」に信用を置く傾向がありますが、とくに手術が伴う治療では、大学病院だから、一流医大の教授だからと「安心」してはいけない。
「手術を」と告げられたなら、最低三人以上の専門医の意見を仰ぎ、やらなくてもいいという医者が一人でもいたら、手術はやめたほうが賢明。
大学教授だから見立てがいい、腕がいいという根拠はありません。
むしろ、年に数回しか執刀しない大学教授では、医療死亡事故を起こす確率も高い。

たとえ新設医大出身でも、年数百例もの外科手術を成功させている医者のほうが安心して任せられる「名医」であるのは間違いない。
ただし、名医にも「旬」があります。経験豊富でも年齢とともに腕が鈍ったり、判断力が低下したりすれば、第一線に立てなくなるのは当たり前です。

 危ない病院や医者に遭遇しないための第一歩は、肩書や大学名などのブランド信仰を捨て、「医者に失礼だから」と、言いなりの患者であることをやめること。
常に目を光らせ、医者を育てるような「賢い患者」になることにあります。