医療介護総合確保推進法の成立に伴い、医療法が改正

2014.06.20

医療介護総合確保推進法の成立に伴い、医療法が改正

病床機能の再編がいよいよ加速

病床の削減措置など都道府県に強大な権限


2014/6/18 豊川琢=日経ヘルスケア 
 
医療法等の一部を改正する法律(改正医療法)が、6月18日の参議院本会議で可決、成立した。

一部の内容を除き、今年10月1日に施行される。

同法の目玉は、病床機能報告制度の創設と地域医療構想の実現に向けた都道府県の役割強化。

地域の医療の実情に応じて、都道府県が必要な機能ごとに病床数の配分を決められる仕組みが導入される。

急性期病床の過剰などが指摘されている中、病床機能の再編がいよいよ加速しそうだ。

都道府県の病床計画に従わなければペナルティー
 
今回の改正医療法は、「地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律」(医療介護総合確保推進法)に盛り込まれたもの。

同法は、持続可能な社会保障制度の確立を図るため、効率的かつ質の高い医療提供体制を構築するとともに地域包括ケアシステムを実現し、地域における医療・介護サービスの総合的な確保を推進することを目的としており、医療法や介護保険法などの改正案を一本化して審議されていた。

 改正医療法の柱となっているのが、

病床機能報告制度の創設と地域医療構想の策定。

病床機能報告制度は、全国の病院や有床診療所に、「高度急性期」「急性期」「回復期」「慢性期」の4つの病床機能の中から自院の機能の現状と今後の方向性を、病棟単位で都道府県に報告させる制度。
入院患者に提供する医療の内容なども報告させる。

 一方で都道府県は、同制度で得られた情報を基に医療需要を勘案しながら、地域における機能別の必要病床数や将来の整備見通しをまとめた地域医療構想を策定し、医療計画に反映させる。

改正医療法には、この地域医療構想を確実に実現するための措置も規定。まず、医療関係者や医療保険者などで構成される「協議の場」を都道府県が設け、地域医療構想の達成に必要な事項を協議していく。

この協議の場での決定事項に従わない医療機関については、都道府県がその旨を公表したり、地域医療支援病院や特定機能病院の承認を取り消したりできるようにする。

足りない病床の運営を条件に病院の開設許可も
 
さらに、病院の新規開設などが申請された際、必要な病床数に達していない機能を担うことを条件に開設を認める権限なども都道府県に与えられる。

また、既に必要な病床数を超えている病床機能がある場合、公的医療機関以外の医療機関においては、正当な理由なく“休眠”している該当の病床があれば、都道府県は削減措置などを取るよう要請できるようになる。

 病床機能報告制度は今年10月に施行する予定で、初年度は7月1日時点の病床機能を10月1日から10月末までに報告させる方針だ。
一方、地域医療構想の策定については2015年4月に施行する。

 こうした医療関連の再編のほか、介護サービスの充実(地域包括ケアシステムの推進など)を図るため、国は消費税増税の財源の一部を活用して基金も創設していく。
厚生労働省は2014年度予算で904億円を確保しており、都道府県が関連事業に関する経費の負担のため基金を設けた場合、国が必要な資金の3分の2を負担する。

 このほか改正医療法には、医療従事者の確保を図るために、地域の特定機能病院や地域医療支援病院、公的医療機関などに医師の派遣や研修体制の整備を都道府県が要請できるようにすることも盛り込まれた。また医療機関の管理者に対しては、医療従事者の勤務環境の改善措置の実行に努めることを求めた。