病院経営懸念される公立みつぎ総合病院

2014.06.09

病院経営懸念される公立みつぎ総合病院

尾道市新高山の市民病院

2014.06.03 中国新聞

05年3月に合併した旧御調町から引き継いだ、公立みつぎ総合病院だ。
同病院も収益は減少傾向。市の病院事業の経営安定化は大きな課題となっている。

 両病院の純利益は、10年度計6億4400万円(市民3億3900万円、みつぎ総合3億500万円)だった。
12年度は計1億100万円(同8700万円、同1400万円)まで減った。

医師不足が影

 主な要因の一つが医師不足だ。

公立みつぎ総合病院の常勤医師は09年の30人から現在25人に減少。
市民病院は09年から3人増の47人になったが、「診療科が二つ増え、少なくともいまより10人は必要」という。
医師が足りず、診療できる患者数も限られ、経営に跳ね返っているのが現状だ。

 医師確保は停滞したままだ。
両病院とも03年度から臨床研修病院に指定され、受け入れ定員も2人ずつ設けられている。
だが、過去5年間は定員を満たしていない。

 こうした状況の中、市は12年4月、両病院を統括する病院事業管理者を置き、両病院の事務をまとめる病院事業局を新設した。
医師確保や効率的な経営が目的だ。

 研修医確保のため、両病院の特徴を組み合わせた研修プログラムも設けた。
救急患者の対応を主とする市民病院と、リハビリや在宅医療に取り組むみつぎ総合病院の両方で経験を積めるようにした。
しかし、ここ3年間の定員計12人に対し、応募は2人だけだ。

 病院事業局の中司善章病院管理部長は「診療の特徴や運営組織、周辺環境が違う二つの病院を、すぐ一緒のやり方にはまとめられない」とする。
職員の合同採用や人事交流の見通しは立たない。

さらに厳しく

 市民病院と公立みつぎ総合病院が別々の大学医局から医師派遣を受けていることも、相互カバーを難しくしている一因という。

 病院経営を取り巻く環境は今後、さらに厳しさを増す。本年度の診療報酬改定で、国は重症患者向けの「急性期病床」の削減のため、報酬を受け取れる基準を厳格化した。中司部長は「さらに収入が減るかもしれない」とみる。

 市は、経営改革を期待して12年4月に病院事業管理者として招いた、国立病院機構岡山医療センターの名誉院長を「運営手法に問題がある」として、1年2カ月で罷免した。後任は未定のまま。「改革」の迷走は続いている。