iPadを利活用した佐賀県救急連携の現状と問題点

2014.06.09

 iPadを利活用した佐賀県救急連携の現状と問題点
 樗木等(佐賀県病院好生館), 藤田尚宏(佐賀県病院好生館 救命救急セ), 円城寺雄介(佐賀県 健康福祉本部)

 : 全国自治体病院協議会雑誌



 佐賀県では医療機関の受け入れ情報をリアルタイムに把握する試みに医療機関,救急隊の連携ツールとしてiPadを利活用した。

そこでiPad利用の現状と問題点を述べる。

全ての救急車(49台)にタブレット型端末(iPad)を配備し,救急医療現場の情報をリアルタイムに他の救急隊や医療機関と共有できる,「佐賀県医療機関情報・救急医療情報システム(愛称:99さがネット)」をリニューアルした。

導入後は,搬送時間が約1分短縮された。さらに,クラウドシステムを採用して,年間運用コストも約6700万円から約2700万円へと削減した。

99さがネットのホームページでは「搬送実績モニター」画面により各医療機関の急患受け入れ情報が,過去24時間の間に救急車を受け入れた件数の多い順に自動的にリストアップされる,などの活動状況も分かる。

また救急隊員は,搬送先病院を選定する場合,iPadを用いて病院の情報を入手したうえで,搬送先を最終決定する。

問題点は,医療機関の入力率が低いため最新情報がアップされず,実際には救急隊が病院に何回も電話をかけ続けて搬送先を決定するという悪循環が発生していた。

また,iPad画面では受け入れOKとなっていても,実際に救急隊が病院に電話すると,「業務多忙」「急患対応中」「専門外」「ベッド満床」などの理由により,受け入れ不可とされるケースが発生した。

傷病者搬送先,救急隊によるiPad入力が遅れ,iPad画面に最新情報が反映されないことも少なくなかった。県外からの搬送事案も同様にiPadにはデータとして反映されない。

さらに「搬送実績入力」がされないことも問題点である。「初診時の傷病名」や「傷病の程度」を入力するよう,啓発が必要である。