日本病院会「救急医療アンケート」の結果を公表

2014.05.30

日本病院会「救急医療アンケート」の結果を公表

救急車の有料化、約半数の救急病院が「賛成」

2014/5/29

増谷彩=日経メディカル、黒原由紀=日経ヘルスケア 
 

 
日本病院会は5月28日、全国の救急指定病院を対象にして行った「平成25年度救急医療アンケート調査結果」を公表。

救急車不応需率が二極化していると指摘したほか、救急車の有料化についての賛否、時間外外来自己負担金(選定療養費)の効果などがまとめられた。

調査期間は2013年7月25日から11月29日で、平成24年度の状況について聞いた。救急指定病院1759病院中654病院が回答した(回答率は32.7%)。

 救急車の不応需率については、約半数に当たる277病院が自院で調査していると回答した。
不応需率が10%未満だった病院は、平成24年度には37.5%と約4割程度。比較対象の平成23年度と平成22年度はともに38.0%であり、大きな変化はなかった。

一方、不応需率が30%以上だった病院は、平成24年度で24.8%。平成23年度の23.3%、平成22年度の22.6%と比べると微増しており「二極化が進んでいる可能性がある」と指摘した。

 
図1 救急車の有料化に関する回答(無回答を除く)(日本病院会の資料を基に編集部作成)

 救急車の有料化については、「賛成」14.8%、「どちらかといえば賛成」32.7%、「反対」14.1%、「どちらかといえば反対」15.9%だった(残りは「分からない」と回答。無回答を除く)。「賛成」、「どちらかといえば賛成」を合わせた賛成派は約半数だが、反対派も約3割、という結果だった。

 調査では、自己都合などで時間外の救急外来を訪れた患者に対し、実費を徴収しているかどうかについても調べた。200床以上の病院は、「保険外併用療養費制度」の「選定療養」の仕組みにより、緊急の受診の必要性のない患者が自己都合で時間外に受診した場合に患者から特別料金を自費で徴収できる。

この制度を利用して自費を徴収している病院は約2割の108病院。うち約9割が、実費を徴収する上で何らかの条件を設けていた。

 徴収額は平均5845円で、前年度の調査に比べて約600円増額していた。なお、回答数が少ないものの、これによる時間外の救急外来患者の増減はほとんど認められなかった。

 さらに、2013年1月単月のデータを基に救急外来における未収金の状況についても調べたところ、発生件数は平均18.2件。

9件以下の病院が全体の半数を占めた一方で、50件以上の未収金の問題を抱える病院も11.3%に上った。

未収金の額は平均32.4万円。最も多かったのは29万円以下(74.9%)で、120万円以上を数える病院も約6%存在した。

 また、日本救急医学会が2007年に策定した「救急医療における終末期医療に関する提言(ガイドライン)」を救急医療の現場が知っているか聞いたところ、「全員が知っている」と回答した病院は14.3%、「一部の人が知っている」71.2%で、合計85.5%だった。ただし、知っていると回答した病院のうち、提言に則した運用を行っている病院は58.7%だった(無回答を除く)。

 終末期患者の対応でトラブルになったことがあると回答したのは、77病院(13.0%)。

ほとんどが「看取りか、蘇生か」に関するトラブルだというが、(1)本人の意思が明確に示されていない場合、(2)本人の意思が明確に示されていても当直医が知り得ない、あるいは主治医の方針が当直医に伝達されていない場合、(3)家族内での意見が統一されていない場合、(4)蘇生しないことへの同意書があっても急変時に蘇生へと考えが変わる場合の4つに分類された。

 同調査は、2008年から日本病院会が続けているもの。前回までは全病院を対象としていたが、今回は救急指定病院のみを対象として行った。救急体制の内訳は、救急救命センター(ERを含めない)が13病院(2.0%)、救急救命センター(ERを含む)が119病院(18.2%)、二次救急が73.5%だった。