東北福祉大 医学部を断念

2014.05.29

東北福祉大 医学部を断念 (読売新聞5・28)
 
医学部の県立大構想を求める佐藤・栗原市長(右端)、萩野・東北福祉大学長(右から2人目)、目黒・厚生会理事長(27日、県庁で)

 東北地方への大学医学部新設を巡り、栗原市への設置を目指していた東北福祉大(仙台市)は27日、県に対し、計画を断念する意向を伝えた。

 人口規模を考慮すると、栗原市で大学運営が成り立つのか、大学内で疑問視する声が根強かった。
福祉大との連携を進めていた仙台厚生病院(仙台市)と栗原市は県立大への設置を目指し、県に協力を要請した。ただ、文部科学省への応募期限が30日に迫っており、計画がまとまるか見通しは立っていない。

■決 裂


 「学内でもいろんな意見があった。(栗原キャンパス構想に)みな賛成だったわけではない」

 東北福祉大の萩野浩基学長は27日の記者会見でこう説明した。

 福祉大や厚生病院、栗原市は2月、栗原市にキャンパスを置くことを決めた際、付属病院に600床を用意することで合意していた。

しかし、福祉大では建設費の削減などで、新しい付属病院の病床数を減らし、学生の実習向けに他の病院も使う「縮小案」が浮上。

萩野学長が25日、佐藤勇・栗原市長などに提示したが、「当初の理念とは異なる」として決裂したという。

 厚生病院を運営する一般財団法人「厚生会」の目黒泰一郎理事長も「栗原市で一定数の患者を集めて医学部や付属病院の運営が成り立つのか、意見が食い違った」と説明した。

■不透明


 厚生病院と栗原市は27日、宮城大(大和町)など県立大への医学部設置について、県に協力を求めた。
目黒理事長は「大事業は県にやってもらうのが一番いい」と判断した。

 村井知事は要請を受けた後、報道陣に「県も財政難で、県立大構想は現段階では白紙。
ただ、東北への医学部新設は私が言い出したことなので、検討したい」と早急に作業を進める考えを示した。「今まで準備してきたので十分間に合う」(目黒理事長)というが、応募期限まで時間がない。

 さらに、最大のネックは財源だ。
知事は7日の記者会見で、県立医科大構想について「財政的にも人員的にも難しい」と事実上断念したことを明らかにしていた。
土地取得や教職員の人件費などに数百億円かかるとの試算だったという。

 県立大方式が実現しなければ、応募を予定している東北薬科大(仙台市)と脳神経疾患研究所(福島県郡山市)から選ばれることになる。