秋田大医学部の地域枠 県内で研修、最多の51人。医師不足解消へ定着課題。

2014.05.26

秋田大医学部の地域枠 県内で研修、最多の51人。医師不足解消へ定着課題。
2014.05.24秋田魁新報社 



 2004年に始まった医師の初期臨床研修(2年間)で今春、県内病院を研修先に選んだ秋田大医学部卒の新人医師が過去最多の51人に上った。

卒業後の一定期間、県内の公的医療機関での勤務を義務づけた「地域枠」(推薦入試)の拡大などが要因。

県は地域枠出身医師の県内定着を図り、医師不足の早期解消につなげたい考えだ。
地域医療の確保の鍵となる医学部の地域枠とは、どんな制度なのか。

 地域枠は、地方の医師不足解消のため各地の国公私立大医学部(医学科)が設けている推薦入試枠。
秋田大は国の制度化に先駆け、06年度入試から導入した。

 県医師確保対策室によると、秋田大の地域枠は県が学生に貸与する修学資金と連動した制度で、卒業後に最長9年間(資金貸与期間の1・5倍)、県内の公的医療機関に勤務することを義務づけている。勤務期間を満了すると、資金の返済は免除される。

 当初は県内高校卒業者を対象とし、定員5人でスタート。
その後、県外高校卒業者向けの全国枠を設け、全体の定員も徐々に拡大。
14年度入学者は22人(県内19人、県外3人)だった。

 今春卒業したのは08年度入学者が中心。地域枠の定員が5人から15人に拡大した年次だった。

 来春卒業する09年度入学者は、地域枠がさらに20人に増員されており、県内病院で初期研修を受ける新人医師が一層増えることが期待されている。

「大学で地域医療の使命や重要性を教えるようになり、県内病院での研修に関心を持つ学生が増えている」と同室。

 全国の医学部で地域枠設置が進んだのは、04年に初期研修が必修化されたのを契機に、地方の医師不足が深刻化したことが背景にある。
臨床研修制度では研修先が自由に選べるため、研修医の多くが首都圏や大都市の病院に集中し医師の偏在が進んだ。

 県の推計では、県内の医師不足は10年後にも解消されるとしている。
地域枠出身医師が増えるとともに、人口減によって医療需要が低下するとの理由からだ。

 医師不足解消の見通しがあるとはいえ、地域医療を支える医師の高齢化も進んでいる。
その意味からも、若手医師の県内定着促進が重要となる。

 県内で初期研修を受けた研修医の3年目の定着率は今年、過去最高の90・0%に上った。
3年目は専門医資格を取るための後期研修に入る年で、昨年は73・1%にとどまっていた。
同室は「希望の進路に合わせたキャリア形成をきめ細かく支援し、若手医師の県内定着につなげたい」としている。(叶谷勇人)