中小病院にも人材獲得のチャンス 看護師の大病院志向に変化アリ!

2014.05.21

中小病院にも人材獲得のチャンス

看護師の大病院志向に変化アリ!

・・・2012年に開設した医療法人三成会新百合ヶ丘総合病院(川崎市麻生区)は、今年4月までの約1年半で看護師約300人の確保に成功。
 看護師の募集要項の表紙は、女性ファッション誌のようなデザインを意識した。
7対1からランクダウンした病院から看護師流出も
 看護師の売り手市場の長期化が予想される中、最近、看護師の意識の多様化が目立ってきました。・・・・

2014/5/19 日経ヘルスケア
 

看護師確保は中小病院にとって悩ましい問題ですが、最近では変化の兆しが生まれています。
医療・介護の経営誌『日経ヘルスケア』の5月号は、特集「ナースにモテる職場になるための10の新常識」で最新の看護師採用事情について解説し、看護師獲得に成功する“今流”のノウハウを紹介しました。

 

募集要項パンフレットの見せ方に工夫
 
「5年ほど前までは、新卒者の応募はほとんどなく、ゼロないし採れても3人程度でした。
それが今年は新卒を8人も採用できました」。中国地方にある200床未満の中小病院の事務部長から聞いた話です。

 同院は一般病床、回復期リハビリ病床、医療療養病床を有するケアミックス病院。県庁所在地の中心部から車で1時間かかり、市内には看護学校もなく、病院の知名度も決して高くありません。
採用に不利な条件がそろう中、同院が考えたのが病院のPR活動でした。
同院ならではの魅力を職員からヒアリングし、それを積極的にアピールすることにしたのです。

 具体的には、「アットホーム」「一人ひとりに目が行き届いた丁寧な教育体制」「急性期から慢性期まで、いろんな職場が経験できる」といった点を強調。

就職説明会や募集要項パンフレットなどでは、これらの魅力が伝わるよう、職員の働く姿の写真などを前面に出し、職場の雰囲気を伝えました。さらに、看護師の出身看護学校にはそれぞれ、卒業生が登場する病院説明会の案内ポスターを個別に作るなど、様々な工夫を重ねました。こうした努力が実を結び、採用人数は徐々に増えていったそうです。

 
2012年に開設した医療法人三成会新百合ヶ丘総合病院(川崎市麻生区)は、今年4月までの約1年半で看護師約300人の確保に成功。
看護師の募集要項の表紙は、女性ファッション誌のようなデザインを意識した。

7対1からランクダウンした病院から看護師流出も
 看護師の売り手市場の長期化が予想される中、最近、看護師の意識の多様化が目立ってきました。

従来、特に若手の看護師の就職先は大規模な急性期病院に集中していましたが、冒頭のケースのように、いわゆる“ブランド志向”ではなく、自分らしく長く働ける職場を求める看護師が増えつつあります。

大学病院などで、特定の診療科の限られた疾患の看護技術を習得しても、その後、地域医療の現場では通用しないことも多いのが現実。

そこで長く働くことを考えて、幅広い経験をしたいという看護師が増えているようです。

 2014年度の診療報酬改定は、看護師のこうした多様な職場選択を後押しするかもしれません。

今改定では、7対1一般病棟入院基本料の要件が厳格化され、2025年までに現在36万床ある7対1病床が半分の18万床に絞り込まれる方向です。
7対1病棟の一部または全部を、看護配置の低い病棟に移行する病院では今後、看護師を積極的に確保せず、新規採用を抑制する動きが出てくる可能性があります。

そんな病院から看護師が放出されれば、中小病院もアピールの仕方次第で獲得しやすくなるでしょう。


 では、どんな対策が効果的なのでしょうか。

以前は、「2交代制」「保育園・寮完備」といった労働条件や福利厚生をアピールする病院が多かったですが、もはや時代遅れです。

昨今の看護師の就労ニーズによりきめ細かく対応することが欠かせません。本特集ではそんな「ナースにモテるための10の新常識」を提示しました。

 その一部を紹介すると……

●「川上から川下まで経験」がウリに、療養病棟も実習生確保に一役
●勤務条件は二の次 職場の雰囲気を的確に伝える
●週2時間からの超短時間勤務 潜在看護師やシニア活用も
●魅力的な保育内容が中途採用者の定着の鍵に
●「12時間夜勤」で負担を軽減 フルタイム勤務にはインセンティブも
●手軽な「院内資格」で裾野広げ、給与にも反映

 このほか、医療機関などの採用担当者による覆面座談会も掲載。
看護師の直近の採用状況や独自の採用術、人材紹介会社との付き合い方など、意外でユニークな採用ノウハウの数々を浮き彫りにしました。