(患者を生きる:2499)子に希望を 病院近くのわが家

2014.05.19

 

(患者を生きる:2499)子に希望を 病院近くのわが家:6 情報編
2014年5月18日朝日新聞

宿泊施設の一つ。2家族用の独立した部屋のほかに、共用の居間もある=東京都中央区
 ◇宿泊施設、全国に広がり

 遠方からやってきて入院している子どもを看病するために、家族が病院の近くで「第二のわが家」のように泊まれる施設を。
取り組みは各地で広がっている。
全国15カ所の「小児がん拠点病院」は宿泊施設を用意することが、国の指定条件になっているほどだ。

 各地でNPOなどが運営する宿泊施設の全国組織「JHHHネットワーク」もある。現在、全国70団体、計125の宿泊施設が参加する。
ネットワークのホームページ(http://www.jhhh.jp/)には、各施設の所在地や連絡先が載っている。

 連載で紹介したNPO「ファミリーハウス」(事務局・東京都千代田区)もその一つ。
都内11カ所で、個人や社会貢献活動で企業が用意した部屋を提供している。
利用料は1人1泊千円。日常生活に必要なものは、ほとんどが寄付で賄われている。
患者の家族から連絡があると、入院先や人数、日数を聞き、宿泊先を割り当てる。
2012年度、ファミリーハウスの宿泊施設にはのべ1310家族、約1万3千人が泊まった。

 植田洋子(うえだようこ)事務局長は「症状が重い子が一緒に泊まることも考え、宿泊施設の場所は高度先進医療を担う病院から徒歩圏内という目安を設けている」と話す。

 その一つ、東京都港区の「ちいさいおうち」は02年2月、酒井三貴子さん(70)が、所有する賃貸マンションの一室で始めた。
10畳ほどの洋室、台所とユニットバスがついている。ベッドやテレビのほか、シャンプーなどの日用品が備えられている。バザーなどの収入を運営費にあてる。

 1年目の夏。心臓病の手術を控えた子どもの両親が、山陰地方から上京し1週間泊まった
。酒井さんが料金の精算で部屋を訪ねると、ムッとする暑さ。「エアコンつけないの?」と聞くと、夫婦は「こんないい所に1泊千円では泊まれない。
誰かが代わりに出してくれているのだから、申し訳なく思い電気代を節約した」と言った。
酒井さんは「自分の年齢の半分も届かない人たちに、多くのことを教わっている」と話す。

 ファミリーハウスは、施設提供やボランティアを募っている。問い合わせは事務局(03・6206・8372)へ。(錦光山雅子)

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