医学部新設について、今、復興の関係で東北に一校・・

2014.05.16

「医学部新設について、今、復興の関係で東北に一校・・医学部新設を政府の方では検討しているようであります・・医学部新設は文部科学省の告示で禁じられています。医学部を新設することに伴うさまざまな弊害の指摘とか懸念とかがあります。であれば、そうした懸念をちゃんと払拭できるような条件をクリアするところについては医学部の新設を認めるという形で、告示で医学部の新設を禁じている、告示を変えるべきだと思いますが、いかがですか。」
(民主党古川元久議員)
衆議院予算委員会 
第186回国会 (平成26年2月4日(火曜日)


 
○古川(元)委員 今のうちからという大臣からのお話がありましたけれども、やはり医師は一人前になるには十年ぐらいかかるわけですね。

  ですから、今いろいろなことをやっていることはわかりますよ。
しかし、先ほどから示しているように、これから二十年、三十年先のことを考えたときに、今やっているようなことで本当に十分なのか。
特に、都市部において急速に人口が高齢化してきたときに、ただでさえも、今でも足らないという状況なのにそういうものに急に追いつけるのか。やはりこうした問題はあるんだと思うんですね。

  また、医学部大学院入学者の変遷という図をちょっと見ていただくと、これは、基礎研究目的の大学院の入学生が減少している状況にあります。
医療分野での経済の成長を目指していこうということを考えるのであれば、新薬や医療機器開発、再生医療を初めとする基礎医学の研究など、臨床以外でも医師はやはり不足しているというふうに言えるんじゃないか。

  また、医療分野で我が国が国際貢献をするということは、これは援助を受ける側にとっても最も感謝される援助であると思いますし、しかも、これは顔の見える援助になります。

  我が国は、人間の安全保障という、これを外交の基本方針に掲げておるわけであります。そういった意味では、世界的に見れば非常に医者は今後とももっともっと必要になってくるわけであって、日本で医者をどんどんと養成をして、その医師を派遣していく。あるいは、途上国を中心に、日本に来てもらって日本で医者として養成をして、そういう人たちに、自分の国に帰ってそこの地域の医療に従事してもらう。

これは、私は、医者を派遣したりとか養成をしたりということは、我が国が掲げる人間の安全保障という、この外交の大きな基本方針に大きく貢献するんじゃないかというふうに思っています。

  安倍総理は積極的平和主義ということをおっしゃっておられるわけでありますから、積極的平和主義と言うのであれば、お医者さんというのは命を救うわけでありまして、まさに、平和構築の意味でも非常に、一番根源でもあるというふうに思えるわけでありまして、そういった意味では、今私が申し上げたように、日本でどんどん医者をもっとつくって、そしてそのお医者さんに海外に出ていってもらう、あるいは、途上国から来てもらって、日本で医療教育を受けて医者になって、そして戻ってもらう、こうしたことを国家戦略としてやるべきではないでしょうか。

  そして、これは単に国際貢献につながるだけでなくて、こういう形で日本人の医者あるいは日本で教育を受けたお医者さんが海外で活躍する、それは、長い目で見れば、日本の医薬品とか医療機器、こうしたものが海外で使われるということにもつながって、これは成長戦略にもつながると思いますが、いかがでしょうか。

○安倍内閣総理大臣 確かに、今委員がおっしゃったように、日本が医療において海外に対して協力をしていく、これは我が国の成長戦略の一つでもありますし、また、海外における医療状況を改善をしていく、医療の場において、あるいは介護の場において日本が協力をしていく、これは一つの大きな国際貢献の手段である、このように思っております。

  日本の医療人材を世界に供給していくという指摘については、ASEAN諸国を初めとした各国と、医師、看護師等の人材育成に関する支援も含む医療、保健分野の協力を進めることとしておりまして、昨年訪問いたしましたカンボジアあるいはラオス等についても、日本の医師あるいは病院が積極的に進出、貢献をしているところでありまして、国としても支援をしていきたい、こう思っております。

  また、保健分野の協力を進めていくことも重要であります。今後も、相手国のニーズや状況を踏まえて、途上国の健康向上に貢献をし、我が国のプレゼンスを高めていきたい、こう思っているわけであります。

  医師の供給量についてどう考えるかということでございますが、海外に出ていくことを前提に、果たして、この供給量を確保していくということがどうなのかということも含めて、これからどれぐらいの数を確保していくことが妥当であるかということについても、さまざまな角度から検討していきたい、このように思います。

○古川(元)委員 そもそも、今まで医師の養成で、海外に出していくとか、あるいは、海外の人を日本に呼んできて教育してその人たちにまた帰っていってもらうとか、そういうことは考えていなかったと思うんですね。これはやはり、国内の人口とかそういうので医師の需給を考えている。

  ですから、今、ただでさえ国内は非常に医師不足だというような声があちこちで聞こえている中で、今総理がおっしゃったように、海外にどんどんと出していけるような余裕というのは、今の状況で見たらなかなかないんじゃないかと思います。

  そういった意味では、医学部新設について、今、復興の関係で東北に一校、そして特区でも特例的に医学部新設を政府の方では検討しているようでありますけれども、そういうことを考えますと、これにとどまらず、今、医学部新設は文部科学省の告示で禁じられているわけなんですけれども、この告示をやめて、もちろん、今、医学部を新設することに伴うさまざまな弊害の指摘とか懸念とかがあります。

であれば、そうした懸念をちゃんと払拭できるような条件をクリアする、そうしたところについては医学部の新設を認めるという形で、告示で医学部の新設を禁じている、これを変えるべきだと思いますが、いかがですか。

○下村国務大臣 御指摘のように、今回、三十六年ぶりに、東北地区においては医学部の新設を認めることにいたしました。
これは、被災者の復興支援との、医療的なバックアップということで例外的なものでございます。また、国家戦略特区の中でも、今、検討対象の一つにもなっております。

  一方で、先ほど田村厚労大臣からお話がありましたが、平成十九年から平成二十六年までに一千四百四十四人、既存の大学の定員をふやすということでありますが、これを、各大学の枠としては最大百四十人の定員をふやすことが可能ということですと、さらに一千百人ぐらいの定員をふやすということが現在においても可能というような状況もある中で、確かに、一つは、国際的に活躍できる医師の養成というのも、今後、我が国のニーズとしてはあり得る話だというふうに思います。

  現在も、我が国の医学教育が国際標準の教育を実施していることを証明する認証制度の構築とか、それから、国際標準を超える臨床実習の実施に向けた大学の取り組みについての政府の支援とか、それから、世界の医療水準の向上や日本の医療産業の活性化等にも貢献できるメディカルイノベーション人材の養成の取り組みの支援等を行っております。

  今後、基準を満たせば幅広く医学部を新設できるようにするということについては、今現在、賛成、慎重、さまざまな意見があるところでもあるわけでございますが、これまでの定員増の効果の検証、それから今後の医師需給と社会保障制度改革の状況、それから国際的なニーズ、こういうことをトータル的に検討しながら、関係省庁と連携して検討していきたいと思います。

○古川(元)委員 総理、この問題ですけれども、岩盤規制にドリルで穴をあけるというふうにおっしゃっているわけですよね。
これは文部科学省の告示ですから、総理がもう変えるというふうに言えば、すぐ変えられるわけであります。

  今、要は、もちろん、医者の数は医学部の定員を拡大するとかそういうことでそれなりにはふえていくかもしれませんが、医学部新設を求める声というのは結構あちこちから出ているわけであって、そもそも参入規制をこういう文部科学省の告示でしているということ、それ自体がやはり私は問題ではないかと思うんです。

  これは、総理の決断でこの告示を変える、その上で、さまざま問題が指摘されていることについては、それは、申請を認可するかどうかに当たっては、ちゃんと条件をクリアしているかどうか、そうしたところをチェックすればそれで済む話じゃないかと思いますが、いかがですか。

○安倍内閣総理大臣 もう既に文部科学大臣が答弁をさせていただいておりますが、この定員増については、もちろん賛成の意見もありますし、今、古川委員が指摘されたような形でしっかりと取り組んでいくべきだという考え方もございます。

  そういう中におきまして、私たちは、東北において新たに医学部をつくるということを決定したわけでございますが、しかし、反対の意見、慎重な意見も根強くあるわけでありまして、そうしたことを検討しながら、そしてまた、既に定員増を行っているところの効果もよく見ながら考えていきたい、検討していく必要があるんだろう、このように思います。

○古川(元)委員 総理、そんな言い方をしていると、いかなる既得権益も私のドリルから逃れることはできないと、あれだけダボスで宣言した割には、何かドリルがさわる前にちょっとちゅうちょしているな、そういうふうに思えてしまうんですよね。

  やはりそこは、この問題はグローバルな視点で、言ってみれば、私は日本のお医者さんというのは日本のソフトパワーだと思います。

そういうソフトパワーを活用していくということで、ぜひ考えていただく。これが、国内の医師不足を解消するだけではなくて、結果的に、私は、日本国内の医療レベルを高めて、国民の健康増進にも資することになるんじゃないか、そのことを指摘させていただいて、残りの時間、ちょっと中期財政計画についての御質問に移りたいと思います。