リポート徳島 鳴門病院地方独法化1年 救患受け入れ目標達成

2014.04.30

リポート徳島 鳴門病院地方独法化1年 救患受け入れ目標達成
2014.04.28 徳島新聞



徳島県鳴門病院(鳴門市撫養町)が、四国初の地方独立行政法人運営による病院として再出発し1年が過ぎた。

県北部の中核病院と位置づけ、救急患者の受け入れ態勢を強化するとともに、地域医療機関とも連携を深めており「いいスタートが切れた」(武田吉弘理事長)と自己評価する。
一方で救急を除く患者数は目標に達しておらず、経営基盤を安定させるための施策が課題となっている。

病院が重点項目の一つとして掲げる救急の受け入れ態勢強化では、消防や医療機関からの要請に積極的に応え、2013年度の救急患者は12年度比0・4%増の6507人に上った。16年度の目標としている6400人を上回り、受け入れ率は92%に達した。

指や腕の切断、複雑骨折といった特殊な技術が求められる手の手術を得意とし、08年10月に開設した手の外科センターで県内全域から患者を受け入れる。

13年5月には、作業中に誤って電動のこぎりで腕を切断した男性が阿南市から県のドクターヘリで搬送された。

10時間に及ぶ手術で男性は一命を取り留め、腕もつなぎ合わせることができた。
日比野直仁医師は「手の外傷に関しては徳島を背負っているという自負を持っている」と話す。

地域の医療機関との連携にも重点を置いている。
3月には鳴門市医師会の医師が、鳴門病院に紹介した患者の診断結果や治療内容をパソコンで見られるシステムを導入。
患者が複数の病院で同じ検査や治療を受けることがなくなり、負担軽減につながっている。

ただ患者数は伸びていない。
外来延べ患者は、目標11万7千人に対し11万970人(12年度比4・9%減)、入院延べ患者は目標8万8千人に対し7万8052人(8・3%減)にとどまった。

このうち新規の外来患者は1万4482人(1・3%減)、入院患者は5401人(1・8%減)だった。
2月の電子カルテの更新作業に伴い患者の受け入れを制限したことなどが要因で、13年度の目標としていた純利益7900万円に届くかどうかは微妙だ。

14年度からは新規患者の確保に向け、徳島大学病院が中心となって開発した糖尿病検診を県事業として鳴門病院で実施する。

このほか、椎間板ヘルニアなど脊椎疾患の治療や、3月に導入した最新のMRI(磁気共鳴画像装置)を使ったがん医療に力を入れる。

武田理事長は「新規患者の獲得という課題が見えた。
真価が問われる2年目も職員一丸となって県民に信頼される病院を目指す」と話している。

病院は1953年に健康保険鳴門病院として開院。社会保険庁改革で民間への売却も取りざたされたため、県が2012年3月、年金・健康保険福祉施設整理機構(現・地域医療機能推進機構)から13億6925万円で買い取り、13年4月に100%出資した地方独立行政法人を設立した。