地域をつなぐ~中東遠総合医療センター1年(下)=医師増、診療の質確保-情報共有、連携さらに

2014.04.28

地域をつなぐ~中東遠総合医療センター1年(下)=医師増、診療の質確保-情報共有、連携さらに
2014.04.26 静岡新聞


 集中治療室のベッドサイド。複数の診療科医師が立ち話で行う意見交換は、冷静沈着ながら次第に熱を帯びる。

「院内の風通しが良く、全体に勢いがある」。

今月から中東遠総合医療センターに着任した救急科部長の松島暁医師(35)は診療現場の雰囲気に手応えを感じている。

 掛川、袋井両市はともに、統合前の旧市立病院で労働環境の悪化から医師流出を招いた苦い経験を持つ。

新病院は最新鋭の医療機器をそろえ、93人の医師でスタートした。

旧2病院の合計を上回る患者数と診療の質を確保し、若手医師が経験を積んで専門医資格を取得できる環境が整った。

浜松市出身で血液内科の岡本修一医師(29)は「面倒見がいい先輩医師が多く、指導が行き届いている。自己研さんを積み、地域医療に貢献したい」と意欲を示す。

 「働きがいのある病院」は好循環を生み、医師数は開院から1年間で104人まで増加した。

「もう屋台骨が揺らぐことはない。研修医から生え抜きの人材が育ってくれば本物になる」と名倉英一企業長兼院長(65)は期待する。

 新病院は在宅医療やリハビリ・療養型の後方支援病院など、地域医療をつなぐ要の役割も担う。

病状の経過や治療記録を記した「連携パス」を活用し、医療機関間で情報共有を図る試みはまだ発展途上。

加藤進小笠医師会長(62)は「新病院と開業医の連携をさらに強めることが大事。医療的な隙間を無くすため、双方とも努力が必要」と指摘する。

 交通アクセスの充実には行政施策が不可欠。

袋井市は新病院と市内全域を結ぶ3路線の自主運行バスを走らせている。

増便を望む声があり、利用者の要求に対応して運行する「デマンド形態」への見直しを検討中。

掛川市も新病院に隣接する東名高速道小笠パーキングエリアに救急車専用の出入り口を設置できないか、可能性を探っている。

松井三郎掛川市長(67)は「高齢者をはじめとする交通弱者対策を進める必要がある。

袋井市とともに、周辺市町との広域連携で地域医療を充実させ、中東遠地域の総合的な魅力を高めたい」と意欲を示す。

 (掛川支局・寺田拓馬、袋井支局・木村祐太が担当しました)

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 【掛川、袋井両市の旧病院利活用】

 掛川市は旧病院の本体部分を解体し、跡地に健康・医療・福祉の総合ゾーン「希望の丘」を整備中。

介護老人保健施設や、地域健康医療支援センター「中部ふくしあ」、小笠掛川急患診療所などが2015年4月に開設予定。

袋井市は旧病院の施設を利用して新病院の後方支援機能を担う「市立聖隷袋井市民病院」を開設し、運営を聖隷福祉事業団に委託した。
現在、内科、脳神経外科、整形外科の診療を受け入れ、一般病床50床を備えている。

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掛川市・袋井市病院企業団立中東遠総合医療センター
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平成25年5月開院!
地域医療再生の先駆的取り組みとして掛川市立総合病院と袋井市立袋井市民病院が平成25年5月1日に統合し、500床、33科を有する「中東遠総合医療センター」として新たに開院しました。

●高水準の診療
中東遠地域の基幹病院として急性期医療を中心とした高水準で良質の医療を提供します。
救急医療は救急専門医が指導し、心筋梗塞など循環器系疾患と脳血管障害は、365日24時間、専門スタッフが対応できる体制を取っており、超急性期の血管内治療を積極的に行っております。

●機能のセンター化:
救急センター(救急病床12床含む)、ICU・CCUセンター(10床)、
心血管内治療センター、脳血管内治療センター、脊椎・脊髄センター、血液浄化センター(透析)、
睡眠医療センター、PETセンター 、人間ドック・健診センター 等

●最新鋭の設備
高度医療を支える最新鋭の血管造影撮影装置3台、CT3台、MRI(3テスラ)1台を増設し2台体制としたほか、がん診療においても最新鋭の放射線治療器とPET-CTを導入しています。

●充実のスタッフ
診療科は33科と総合的な診療体制となっています。
内科系は循環器7名のほか消化器、腎臓、呼吸器、神経内科、内分泌、血液内科などが揃い、外科は7名、整形外科9名、脳神経外科6名と充実のスタッフ体制となっています。麻酔科、小児科、産婦人科、眼科も強化され、専門資格の取得が可能です。

●抜群の立地環境
新幹線掛川駅から車で5分にも関わらず自然と緑に囲まれた抜群の立地環境となっています。建物内部も自然光を取り入れた明るく、広い空間は、安らぎを感じることをコンセプトとした最高の療養環境と快適な職場環境です。病院からは世界遺産「富士山」も眺望できます。