高度医療へ積極投資 5年計画総額287億円-3病院運営の県立病院機構

2014.04.04

高度医療へ積極投資 5年計画総額287億円-3病院運営の県立病院機構
2014.04.03 静岡新聞 

 


 地方独立行政法人の県立病院機構(静岡市葵区)は2014年度から5年間、総額287億円をかけ、高度医療体制の一層の充実に向けた設備投資に着手する。

独法化以来、第1期中期計画の5カ年全てで経常収支の黒字化を達成する見通しで、第2期では“攻め”の経営に転じる。

 機構は葵区内にある総合病院、こども病院、こころの医療センターの県立3病院を運営する。

経営効率化を図るため、09年度に独法化した。収支構造の改善や患者数の増加などで初年度から4億円の黒字を出し、県直営時代の赤字体質を脱した。

 新年度からは、総合病院が診療棟を増設し、放射線などの最先端治療の整備を具現化する。
医療用ロボット「ダヴィンチ」の拡充を視野に入れ、心疾患やがんなど3大疾患への対応を強化する。県内初の高度救急救命センター指定も目指す。

 こども病院もハイブリッド手術室を整備し、こころの医療センターは県内唯一の医療観察法指定医療機関として患者が早期に退院できる体制充実を進める方針。

 投資予定の287億円は県から借り入れ、30年ほどを掛けて返済していくという。第1期の借入額は約100億円だった。

 機構は3月末で神原啓文理事長が勇退。後任に総合病院の田中一成院長が4月1日付で兼任となり、トップ交代も図った。

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 ■黒字の背景に手厚い支援 県が毎年70億円

 独立行政法人化以来、5年連続で黒字達成見通しの県立病院機構。ただ、運営の下支えになっているのは県から毎年70億円を超える財政支援だ。

 県によると、公立病院は救命救急や周産期などの不採算医療を抱え、「設置自治体が巨費を負担するケースは全国的に珍しくない」と説明する。

 支援名目は運営費負担金。機構が設立した2009年度からの単年度平均は73億円で、運営費全体に占める割合は18・7~22・2%だった。県直営時代の08年度は63億円。
県が「独法化直後はより安定した運営が必要」と判断し、10億円を上乗せした。

 決算や決算見込みでは、11年度以降は黒字額が20億円を超え、14年度以降の積極的な設備投資が成功すれば一層安定的な経営が見込まれる。

 関係者から「財政支援は県直営時代の水準かそれ以下に引き下げるべき」との指摘も上がるが、県医務課は「積極運営に移行することもあり、少なくとも(14年度からの)第2期計画中に財政支援の方針に変更はない」と理解を求める。

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 【県立3病院の独立行政法人化】

 県議会の承認を経ずに人事などを決定、執行できる点が県直営と異なる。
また、医療未収金の回収や清掃業務などを民間委託する場合、3病院一括で複数年契約できるため、経費削減が可能になる。県直営では単年度契約が原則。