7対1バブルは終わった。看護師紹介会社の淘汰は待ったなし(現役医師による医師紹介会社格付けサイト)

2014.04.07

7対1バブルは終わった。看護師紹介会社の淘汰は待ったなし(現役医師による医師紹介会社格付けサイト)



2014年4月1日になりました。

2014年度診療報酬改定でメスが入れられた7対1病床、「患者7人に看護師1人」を置く病床です。

政府は2015年度までに7対1病床を9万床(25%)削減する計画です。

さらに悪いことに、7対1入院基本料を算定する特例の撤廃も予定されています。

通常入院が90日を超すと入院費は下げられ、病院の収入は減ってしまいますが、7対1には難病などの患者なら90日超でも入院費を下げない特例が設けられてきました。

しかし、その7対1等の特定除外制度が今年10月1日から見直されてしまいます。

7対1入院基本料を取るための看護師争奪戦は一息つきそうですが、逆に7対1バブルに乗ってきた看護師紹介業はこれから正念場を迎えます。

昨年、大阪私病協組合の内部調査が話題になりました。7対1入院基本料を算定する民間病院が看護師を確保するために紹介会社へ支払う手数料は年間で1,000~2,000万円規模にのぼることが明らかになったのです。

一例としてあげられたケアミックス型病院では、医師と看護師を確保するために年間6,000万円も投じていとのことでした。

同組合に加盟する300床規模の病院では6ヶ月間で看護師30名の紹介を受け、紹介手数料は合計2,018万円1,000円とあります。
また別の病院では1年間に看護師23人の紹介を受けて紹介手数料が1,417万円であったが、23人のうち4人が3ヶ月以内に退職したとのとあります。

看護師紹介料は医師に比べて定額ですが、数が多いためトータルでは大きくなります。
看護師紹介業の市場規模は医師紹介業よりも大きく年間250億円のマーケットです。
年間約15万人いる就職・転職者のうち、4万人前後が利用する大きなマーケットなのです。

複数の紹介業の方が口を揃えるのは、
「看護師は離職率が高いので難しい。」
ということです。

女性が圧倒的多数の業種ですから結婚、出産で休む・退職することも多いですし、夜勤があってハードな仕事です。仕方ない面が多いですが、紹介業を利用して入った職員に離職を繰り返されれば紹介料の無駄はどうしても大きくなってしまいます。

非効率と言ったら言い過ぎかも知れませんが、看護師紹介業はそれに助けられていた面が大きいでしょう。

7対1バブルは終わりました。看護師紹介会社の淘汰は待ったなしです。


2004年4月の新・臨床研修制度施行以後増え続ける医師紹介業の市場規模は100億円に迫るとも言われており、それだけの経費が医療機関側から支払われています。
医療機関の経営が楽では無い今日、この負担は馬鹿になりません。

看護師紹介業のマーケットに火をつけたのは2006年の診療報酬制度の改定。
厚労省は、重症患者に高度な医療を提供するために看護師を手厚く配置した病院に対し、報酬を増やす仕組みを導入。
その結果、病院間で看護師の争奪戦が起きています。看護師紹介業の市場規模は医師紹介業よりも大きく250億円にのぼるようです。
年間約15万人いる就職・転職者のうち、4万人前後が利用。大きなマーケットなのです。

何はともあれ看護師を集めないと商売になりません。
各社とも看護師集めに必死です。
個人情報を登録したら金券がもらえる、転職したらお祝い金30万円がもらえる、あの手この手で勧誘します。どこかで見た風景ですね。
そう、医師紹介会社会社の過当競争と全く同じ構図です。

しかし、美味しい話はいつまでもは続きません。
厚生労働省は診療報酬を元手に荒稼ぎするのはケシカランと、看護師紹介業のバブル退治に乗り出すようです。公的機関の看護師紹介機能を拡充する、看護師を集めて診療報酬アップを狙う手法を封じるなどして看護師争奪戦の沈静化を狙います。

バブルは本当に沈静化するのか。生暖かく見守りたいです。
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看護師紹介ビジネス過熱 金券で勧誘、強引なケースも
朝日新聞 2014年1月6日

 慢性的な看護師不足が続くなかで、「看護師紹介ビジネス」が広がっている。

就職や転職する看護師の4人に1人が利用しており、全国の病院が紹介業者に支払っている紹介料は年約250億円になるという。
看護師を金券で勧誘したり、転職をしつこく促したりする業者も現れ、競争は過熱している。
医療費が、医療とは直接関係のない業界に流れており、厚生労働省も対策に乗り出す。
 
全国約2500の病院が加盟する全日本病院協会が昨年夏に調べたところ、過去3年間に看護師の紹介業者を利用したことがある病院は7割にのぼった。
東京、大阪など大都市圏に限ると85%になるという。
 
紹介料は看護師の年収の15~25%程度で、約100万円が相場だという。
市場規模は、大手人材会社エス・エム・エス(東京都港区)の推計で2012年度は約250億円。

年約15万人いる就職・転職者のうち、4万人前後が利用しているという。
業者は株式上場している大手から各地の中小まで、全国に数百社はあるとみられる。
 ただ、なかには紹介料を多く稼ごうと、強引に紹介を成立させる業者もある。
看護師の希望を無視して、とにかく採用してくれる病院に就職させる。
その看護師が「希望と違う」と訴えてきたら別の病院に転職させ、さらに紹介料を稼ぐケースもあるという。

ある関係者(32)は「業者の担当者同士では『売り投げ』『売りっぱなし』などと呼んでいる」と打ち明ける。
 紹介する看護師を確保しようと、業者は数千円の商品券や金券で引きつける。
個人情報を送るだけで、金券がもらえる業者サイトもある。さらに就職が決まれば「お祝い金」として現金を支払う業者も多く、50万円にのぼる事例もある。

「ペア沖縄旅行」に招待するところもあり、看護師の争奪戦が激しくなっている。
 病院が業者に払う紹介料には、税金や保険料、患者の窓口負担でまかなわれる診療報酬が使われている。
厚労省は「診療報酬では想定されていない使われ方」(看護課)として、診療報酬制度を改定したり、公的な看護師紹介事業を充実させたりする方針だ。

 ■連日求人メール、現場にしわ寄せも
 「新規登録でもれなく商品券5000円プレゼント」「転職お祝い金最高30万円プレゼント!」
 紹介会社のサイトには、看護師を引きつける文句が躍る。1人につき約100万円の紹介料が得られるため、金を払ってでも看護師を集めようとしている。
 
東京都内の訪問看護ステーションで、常勤で働く看護師(47)の携帯電話には、紹介業者からメールがほぼ毎日のように届く。
 
「高待遇の求人から面談のオファーをいただいております。一度、条件をご覧になりませんか」
 
いまの職場に転職が決まり、5カ月が過ぎても続いている。看護師は「職場が決まったから『もういいです』と何度も伝えているのに、毎回別の担当者から連絡が来る」と話す。
再び転職するつもりはないが、「高待遇」の文字に期待して、つい条件を問い合わせることもある。
 
福島県内に本部を置くある病院グループの人事担当者には、苦い経験がある。
紹介業者を通じて採用した常勤の看護師が、3カ月過ぎたころから勤務体制への不満を急に言い始めた。
二言目には「だったら辞めます」と言うようになり、それから1カ月もしないうちに辞めていったという。
 
他の病院でも、3カ月から半年で辞める看護師が多いと聞く。
この担当者は「看護師を転がしている業者もいるのでは」と紹介業者に不信感を抱く。
 

日本病院会(加盟約2400病院)が2011年に行ったアンケートによれば、紹介された看護師や医師が半年以内に辞めたことがある病院は約55%にのぼった。

紹介料の支払いが終わった時点で退職し、同じ業者の紹介で次の転職先が決まっていた、というケースもあった。

 看護師が頻繁に入れ替わると、医療現場への影響も出てくる。
東京都足立区の医療法人で採用担当の看護師は「病院によって医療器具の場所や、薬の投与時間などルールが違い、覚えることがたくさんある。
未熟な看護師がたくさんいる現場は、医療事故につながりかねない」と心配する。

 ■争奪戦、診療報酬改定で拍車
 病院が看護師を集めるために、かつては独自に求人したり、各都道府県が実施している紹介事業を利用したりするのが一般的だった。
10年ほど前から紹介業者がネットで幅広く求人し、病院に有料で紹介する事業が登場した。
 
看護師でつくる各都道府県の看護協会は、各都道府県の委託を受けて無料で看護師を紹介する「ナースセンター」を置いている。
ただ、看護師への知名度が低いこともあり、紹介実績は右肩下がりだ。12年度はピークの半分以下の約1万2千人に落ち込んでいる。
 
看護師紹介ビジネスが一気に広がるきっかけになったのが、06年の診療報酬制度の改定だ。厚労省は、重症患者に高度な医療を提供するために看護師を手厚く配置した病院に対し、報酬を増やす仕組みを導入。その結果、病院間で看護師の争奪戦が起きている。
 
紹介業者側は、病院や看護師の要望に沿ってサービスを提供しており、医療に貢献しているとの立場だ。
「公的サービスでは細かな要望に対応できない」(業界関係者)と、今後も市場は拡大するとみている。
 ただ、業者への紹介料は、国民の保険料や税金、患者の窓口負担でまかなう診療報酬からひねり出されている。病院経営を圧迫していることもあるとして、厚労省は対策に乗り出す。
 
各都道府県のナースセンターをてこ入れしようと、14年度から公共職業安定所(ハローワーク)の求人情報を全国のセンターに提供する。
さらに看護師資格を持つ人をセンターに自動的に登録し、就職を促す仕組みも15年度以降につくる方針だ。資格があるのに働いていない「潜在看護師」は約70万人いるとされる。
仕組みを盛り込んだ医療法などの一部改正案を、今年の通常国会に出す予定だ。
 
また、そもそも看護師不足が深刻化するきっかけとなった診療報酬の仕組みも今春から見直す。
重症患者が少ないのに、看護師の数だけをそろえて報酬を多く得ようとする病院が増えすぎたとして、そうした病院の数を厚労省は抑える方向だ。

そうすれば、看護師の争奪戦は下火に向かうという見方がある。