医療センター 複数病棟で菌検出

2014.03.22

医療センター 複数病棟で菌検出
2014/3/21 2:24 日本経済新聞


 国立病院機構大阪医療センター(大阪市中央区)でほとんどの抗生物質が効かない多剤耐性菌の院内感染が起きた問題で、同センターは20日、3年半で菌を検出した入院患者114人のうち、42人に感染症状が出たと発表した。

60代と70代の女性2人が死亡し「感染との因果関係が強い」とした。
複数病棟の患者から菌が検出されたことも判明。
同センターは「集団感染が広がっているとの認識がなかった」と述べ、対応の遅れも認めた。

 楠岡英雄院長は記者会見で「患者さまに不安を与え、心からおわび申し上げる」と陳謝した。

 検出した菌は新型耐性菌「メタロ・ベータ・ラクタマーゼ(MBL)産生菌」。
同センターでは2010年7月に初めて見つかり、10年度は5人、11年度は28人、12年度は44人と次第に増加。

 13年度も今月20日までに37人に達しており、このうち7人は1月以降に確認。
今月に入っても新たに見つかっている。

 同センターによると、菌が検出された入院患者114人は20~90代で、約3分の1の42人は肺炎やぼうこう炎などの症状があった。

このうち、がんで入院して12年11月に死亡した60代女性と、肺炎で入院して昨年5月に死亡した70代女性からは血液から菌が検出され、「感染と死亡の因果関係が強い」としている。

 新型耐性菌は7種類あり、複数の菌に感染したり保有したりする患者もいたという。
114人が入院していた病棟は主に5病棟にわたり、半数強の67人は外科の患者。

 同センターは手洗い徹底などの対策を講じたが、その後も菌の検出が収まらず、2月12日に大阪市保健所に連絡した。

 楠岡院長は「医師らが処置をする際、手洗いなどが不十分で感染が広がった可能性がある」と認めた。

対応や公表の遅れについては「菌が7種類にわたり、同じ菌が1カ所で連続して多数検出されることがなかったため、集団感染との認識がなかった」と説明した。

 今月20日時点で院内に感染者はいないが、保菌者は11人いるという。楠岡院長は「入院診療の縮小も視野に入れた対策をとる」と指摘。退院した患者への対応として21日から電話相談に応じる。