小児がん拠点病院 全国に15施設

2014.02.28

小児がん拠点病院 全国に15施設



患者集約 地域の連携強化



 小児がんの治療や社会的支援を地域で中心になって担う「小児がん拠点病院」として、国内15施設が国の指定を受けました。患者や家族から期待が寄せられています。

就学・就労に伴う支援も

 ――小児がん拠点病院とは、どのような病院なのですか。

 「小児がんの治療を地域で中心になって行う拠点施設です。
地域にあるほかの病院と連携し、患者や家族に対する相談支援や教育環境の整備などの社会的支援も行います」

 「小児がんは、白血病などの血液がんや脳腫瘍などが多いのですが、これらのがんの診療実績や専門医の数などを総合的に判断し、厚生労働省が、まず15施設を8日に指定しました」

 ――なぜ拠点病院が必要なのでしょうか。

 「毎年新たに小児がんにかかる患者は2000~2500人と少ないにもかかわらず、小児がんの患者を診療する施設は約200施設と全国に分散されています。
一つの施設や1人の医師で診る患者数が少ないため、診療経験を積むことができず、なかなか病名を特定できずに的はずれな治療を行ったり、効果的な治療法の研究が遅れたりという問題が指摘されていました。
また、病院ごとの診療レベルのばらつきが問題となっており、どの地方でも質の高い医療が受けられるよう、病院同士の連携強化や地域の医療スタッフの人材育成の必要性などが叫ばれてきたのです」

 ――大人のがんも診る「がん診療連携拠点病院」が既に全国にありますが、これでは不十分なのですか。

 「成長期に抗がん剤治療や骨髄移植などを行うことで、治った後も発育やホルモン機能に障害が残るなど大人とは違う問題が起こり、長期にわたる医療支援が必要となります。
また、就学期に長期の入院治療を行うことで、その後に人間関係や就学・就労などに支障をきたすことも大きな問題となっています。
治療に付き添う親やきょうだいの心理的・経済的負担も大きく、家族への支援も大事です。小児がんには専門的な対策がたくさん必要なのです」

 ――拠点病院の設置には患者や家族の活動が大きな役割を果たしたそうですね。

 「患者や家族の団体は、拠点病院の整備も含めた小児がん対策を求めて、厚労省や国会議員らに長年熱心な働きかけを行ってきました。
その切実な訴えが実を結び、昨年6月に閣議決定された新しい国のがん対策推進基本計画には、重点課題として初めて小児がん対策の充実が盛り込まれました。
これを受けて同年9月には、厚労省の検討会が、全体を見渡す中核施設を全国に1か所置き、それと連携する形で地域ごとに拠点病院を作るなどとする報告書をまとめました。
今回の15か所の拠点病院設置は、これらの計画や報告書を具体化した第一歩なのです」

 ――指定を受けていない病院で治療が受けにくくなることはないですか。

 「拠点病院には特に治りにくいがんや再発がん、症例の少ないがんなど難しい症例を中心に診療することが期待されています。
標準治療が確立されている白血病などはむしろ拠点病院以外が担うなどの役割分担が、今後進められます。また、指定された病院以外でも、脳腫瘍や網膜芽腫がしゅなど特定のがんの治療実績が多い病院もあり、どのように拠点病院との連携を進めていくかはこれからの課題です」

 ――今後拠点病院はどのようなことをするのですか。

 「まずは、地域の各医療機関との役割分担や連携方法、診療を向上させるための具体策を盛り込んだ計画を、半年後をめどに作ります。
この計画作りのために、地域の病院と協議する場を設けることになっています。小児がんの診療環境がどう整えられていくか、今後の動きが注目されます」(岩永直子)

(2013年2月24日 読売新聞)

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http://www.byouin.metro.tokyo.jp/shouni/cancer/cancer_top.html


http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/iryo/iryo_hoken/gantaisaku/syounigan.html