(声)普及は厳しい「かかりつけ医」

2014.02.20

(声)普及は厳しい「かかりつけ医」
2014年2月19日朝日新聞
 開業医 平松敬人(愛知県 43)

 医療の公定価格である診療報酬の改定内容が発表された。

注目されているのは、生活習慣病・認知症の「かかりつけ医」に支払われる「地域包括診療料」が新たに設けられることだ。

社説(13日)では、主治医が「患者がかかる他の病院や処方薬をすべて把握」し、「患者の生活全体に目配りする」として評価している。
しかし、私は、どれだけの医療機関が地域包括診療料に対応した「主治医」を設けるようになるか、疑問である。

 医療機関側に求められる算定要件はかなり厳しい。

医師側に患者への24時間対応を迫る。
3人以上の常勤医がいることも必須だ。

私の周りでは3人の常勤医のいる診療所はない。仮に常勤医が3人いたとしても、輪番で24時間対応していては、2日おきの24時間対応となり体力的にかなりきつい。

 患者の支払いも増える。高脂血症や高血圧などで通院している方の場合、現在の数倍になる。

一方、新制度の導入であたかも医療機関がもうけを増やすように錯覚される恐れもある。実際は、医師の収入を減らす方向で算定を変更する診療の項目も多い。
個々の診療に対する適切な評価をお願いしたい。


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(声)「かかりつけ医が主役」とは
2014年2月19日朝日新聞
 開業医 海野英哉(茨城県 54)

 13日付社説「診療報酬改定」に申し上げたい。
「診療所から動こうとせず、(中略)時間外は一切、対応しない。
そんな開業医にまでお金は回せない」とあるが、診療所で働く医師は通常1人だけである。
訪問診療にでたら、その間、誰が診療所の診察を行うのか。

 開業医も最新の知識を幅広く得るため、夜は講演会や勉強会が目白押しだ。
時間外まで対応したら、いつ寝るのか。「
かかりつけ医が主役」と掲げて診療所の医師に訪問診療を担わせ、24時間対応を迫る診療報酬改定とは一体なんだろう。

医師は皆疲弊し倒れていく。診療所はコンビニではない。
勤務医を疲弊させ救急医療を崩壊させた後は、開業医を攻め立てるのか。

 診療報酬改定は毎度のことながら、診療報酬という「にんじん」をぶらさげて医療界を振り回す。
医師の自己犠牲の上に成り立ってきた医療制度を見直し、持続可能な施策を実行することができないものか。