重症向け病床、4分の1削減 医療費膨らみ方針転換 厚労省

2014.02.07

重症向け病床、4分の1削減 医療費膨らみ方針転換 厚労省
2014年2月7日朝日新聞
 

症状が重く手厚い看護が必要な入院患者向けのベッド(急性期病床)について、厚生労働省は全体の4分の1にあたる約9万床を2015年度末までに減らす方針を固めた。

高い報酬が払われる急性期病床が増えすぎて医療費の膨張につながったため、抑制方針に転換する。

4月の診療報酬改定で報酬の算定要件を厳しくする。

 全国に約36万床ある急性期病床の削減は、診療報酬改定の目玉のひとつ。

実際は急性期ではない患者が入院を続けるケースも目立ち、医療費の無駄遣いと指摘されてきた。

急性期病床以外での看護師不足も招き、「診療報酬による政策誘導の失敗」といった批判も強まっていた。

 急性期病床を減らすため、厚労省は4月から、入院患者7人当たり看護師1人という手厚い配置をすると病院に支払われる「7対1入院基本料」の算定要件を見直す。

 具体的には、重症患者と認めるチェック項目を細かくするなどして、高い報酬を認める対象を絞り込む。

これにより14~15年度の2年間で「7対1病床」を約9万床減らす方針だ。

まず14年度に医療費を600億円減らせる効果も見込む。

 7対1病床は、高度医療を充実させるため06年度に導入された。

入院基本料は患者1人につき1日1万5660円。

慢性期向け病床(患者15人あたり看護師1人)の1・6倍だ。

全国の病院が収入増をねらって整備を進め、導入時の8倍の約36万床にまで増えた。

一般的な病床の4割を占める。

厚労省の想定を上回る規模に膨らみ、この部分にかかる医療費は年間1兆数千億円とされる。

厚労省は是正に乗り出すが、医療界から「一気に減らすと混乱する」との声があり、1年間程度、病院の収入減を補う激変緩和措置をとる。

 一方で、回復期向け病床や在宅医療の報酬は手厚くし、受け皿を確保する。

急性期病床の入院患者の一部を、コストが低い医療に誘導し、医療費全体を抑える狙いだ。

高齢化で慢性的な病状に悩む患者が急増する将来を見据えた提供体制の改革となる。(高橋健次郎)