医療功労賞に朝倉・平田さん 県助産師会長 児童虐待防止に尽力 

2014.02.03

医療功労賞に朝倉・平田さん 県助産師会長 児童虐待防止に尽力 2・2読売新聞


 長年にわたり地域医療に貢献した人をたたえる「第42回医療功労賞」(読売新聞社主催、厚生労働省、日本テレビ放送網後援、エーザイ協賛)の県表彰受賞者に、県助産師会長で帝京大福岡医療技術学部教授の平田伸子さん(61)(朝倉市山田)が選ばれた。表彰式は5日、福岡市中央区赤坂の読売新聞西部本社で行われる。

 平田さんは1974年から81年まで県立朝倉病院、大阪赤十字病院に看護師、助産師として勤務。

その後、保健所勤務を経て、県立看護専門学校、九州大医学部などで後進の育成に当たってきた。

 平日は教授として学生を教え、土日は県助産師会長として、現場に出た若手を教育する実務を担う。
行政機関や弁護士らとの協議もあり、休む間もないが、「様々な世代、立場の人と接することができて楽しい」と笑顔で語る。

 これまで特に、妊娠期・周産期からの児童虐待予防に取り組んできた。
学生や若い助産師には「若いお母さんを支援できるよう、カウンセリング力も身につけてほしい」と指導する。

 虐待問題に関わるきっかけは90年、県内の保健所で体験した。「子どもへの暴力が止められない」と若い母親の電話相談を受けた。

家庭訪問を重ね、女性には「夫との会話を増やし、ストレスをためないように」と助言した。その経験が強く心に残った。

 県立看護専門学校助産学科長だった93年、学生と共に県内の母親600人に聞き取り調査を行った。
すると6割が「自分の育児も虐待にあたるところがあるかもしれない」と回答した。
問題の大きさ、根深さを知った。「母子が必ず通る道。出産の段階から防いでいこう」と決意した。

 安全安心に出産できる環境を整えるだけでなく、母親の気持ちを和らげることが助産師の大切な役目、と考える。
「産後うつ」の傾向が見受けられるなど見守りが必要な母親とその子どもについては、「新生児家庭訪問の担当者に病院を通じて連絡するなど、地域との連携が必要」と訴える。

 受賞については「私のやってきたことはまだ小さい」と控えめながら、「これからも地域や家庭に目を向けた人材を社会に送り出していきたい」と意欲を語った。