医療・介護「地域完結」に 一括法案提出へ 都道府県の権限強化

2014.01.31

医療・介護「地域完結」に 一括法案提出へ 都道府県の権限強化
2014年1月31日朝日新聞 

・・・・都道府県の権限と責任も大幅に強める。
 医療ニーズの予測をもとに、今後めざす提供体制を「地域医療構想」として策定。 地元の医療機関に急性期や回復期といった機能ごとのベッド数を報告させ、構想実現に向けて協議の場も設ける。
ベッドの過不足がある場合は、是正を医療機関に要請・指示できるようにする・・・・・


急速な高齢化に対応するため、医療・介護制度を大きく見直す「地域医療・介護推進法案」が30日、自民党の厚生労働部会で了承された。

地域のニーズに合わせて医療の提供体制を調整する権限を都道府県に与えるのが柱。

在宅医療や介護を手厚くし、高齢者が住み慣れた地域で暮らせるようにするねらいだ。

介護保険分野では、負担増や給付の絞り込みが目立つ。

 法案は、消費増税に伴う社会保障改革の手順を示した「プログラム法」(昨年12月に成立)を受けたもので、個別の法改正の第1弾となる。
政府は医療法や介護保険法などを改正する一括法案の形で、2月上旬に国会に提出する方針だ。

 医療分野は、提供体制を改革するための財政支援や新ルールが柱。

病気になって間もない「急性期」の患者向けの病院が多すぎる現状を改め、症状が落ち着いた後の入院・在宅医療や介護との連携を充実させ、「地域完結型」への転換を進める。

 財政支援として、基金を都道府県ごとに創設。
体制を見直す医療機関などに補助金を出せるようにする。
配り方は都道府県に委ねるが、療養型ベッドへの転換や在宅医療を担う医師・看護師の育成などを想定する。

 これに合わせ、都道府県の権限と責任も大幅に強める。
医療ニーズの予測をもとに、今後めざす提供体制を「地域医療構想」として策定。

地元の医療機関に急性期や回復期といった機能ごとのベッド数を報告させ、構想実現に向けて協議の場も設ける。
ベッドの過不足がある場合は、是正を医療機関に要請・指示できるようにする。

 一方、介護分野では厳しい保険財政のたて直し策が並ぶ。
「要支援1、2」向けの通所・訪問介護を市町村事業に移すのが柱だ。15年度から3年かけて移管し、市町村が提供するサービスの種類や価格を裁量で決められるようにする。

 負担の部分では、一定の所得がある利用者の負担割合を、15年8月に1割から2割に引き上げる。
対象は政令で定め、厚労省は「年金収入で年280万円以上」とする方針だ。所得が低い高齢者向けには、保険料の軽減策を拡充する。

 (辻外記子、有近隆史)

 ■地域医療・介護推進法案のポイント

 ◆医療

・提供体制を見直す医療機関などに補助金を配るための基金を都道府県に創設(2014年度)

・医療機関が機能ごとの病床数を報告する制度を導入(14年10月)

・都道府県が「地域医療構想」を作り、提供体制を調整(15年4月)

・医療事故を第三者機関に届け出て、調査する仕組みを新設(15年10月)

 ◆介護

・「要支援」の人への通所・訪問介護サービスを市町村に移管(15年4月から段階的に)

・一定の所得がある利用者の自己負担割合を1割から2割に引き上げ(15年8月)

・所得が低い施設入居者向けの食費・部屋代補助の対象を縮小(15年8月)

・所得が低い高齢者の保険料軽減を拡充(15年4月)

・特養への新規入居者を原則「要介護3以上」に限定(15年4月)

 (カッコ内は施行時期)