@ネット「見守り」進化 病気も発見

2014.01.25

@ネット「見守り」進化 病気も発見
遠隔地の親、ITで安否確認 水道や血圧計と連動 トイレの回数増 → 糖尿病?(日本経済新聞1・25)
 

郷里で暮らす年老いた親は無事だろうか。
インターネットで見守るサービスが進化している。
これまでは安否の確認がせいぜいだったが、いまや日々の暮らしの様子や、病気の兆候までわかるようになってきた。

水道の使用状況をタブレットで確認できるクオリカの見守りサービスを利用する石神さん(岐阜県郡上市)
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水道の使用状況をタブレットで確認できるクオリカの見守りサービスを利用する石神さん(岐阜県郡上市)
 


 岐阜県郡上市和良町の下洞地区。石神勇雄さん(84)が田んぼの手入れから帰ると、電話が鳴った。
愛知県に住む次女の加代子さん(56)だ。「お父さん、どうしたの? 大丈夫?」

 加代子さんは、スマートフォン(スマホ)に水を使ったというメールが来ないので心配したという。石神さんは「なんだ、慌てて。たまたま水を使ってなかっただけだ」と笑った。


利用状況を解析


 ITホールディングス傘下のクオリカ(東京・新宿)などは2013年6月、郡上市内で民家2軒の水道メーターに通信機器を設置。
見守りサービスの実証実験を始めた。水の使用量などのデータはクラウドに収集・解析する。

 普段どおり水を使っているか。
何時間も使われないと家族のスマホなどにメールが届く。
専用サイトではいつでも水の使用状況を確認できる。加代子さんは「遠くにいても安否を教えてもらえる。
こんなにありがたいことはない」と話す。
石神さんも「誰もいないところで死ぬと迷惑かかるし、安心だ」と語る。

 このサービスでわかるのは安否だけではない。
水の使い方から健康状態まで推測できる。同社は水道メーターのデータをクラウドに収集し、性別や年齢別、病気など、様々な世帯の水道の利用パターンを解析。
それと照合すると、トイレの回数が増えたら糖尿病、1日に何度も入浴するようになったら認知症など疑わしい病名まで特定できる。

 クオリカの前身はコマツの子会社。
建設機械に設置したセンサー情報の解析で故障の予兆を見つけるシステムを開発した。その技術を見守りに応用した。
価格は初期費用が3万円、月額4千円。
郡上市での実証実験を経て4月から岐阜県内100世帯で本格導入する。

 「見守り」も、度を過ぎれば「監視」になる。
カメラで四六時中撮影されれば気詰まりだ。
クオリカの宮下孝夫テクノロジーインサイド事業推進室長は「水道ならば意識せず、ストレスもない」と語る。


健康管理に一役


 OKIは血圧計や体重計で測定したデータを簡単に記録し、日々の体調変化をテレビやパソコン、スマホで確認できるシステムを開発した。本人はもちろん、離れて暮らす家族もパソコンやスマホでデータを確認できる。

 血圧計や体重計などの計測データを近距離無線規格「ブルートゥース」で無線機器に自動送信。
そこからクラウドに送られる。クラウドでデータを蓄積・解析。結果はサーバー経由で家庭のテレビに配信される。

 計測結果を自分で記録する手間なしに血圧や体重の変化をテレビ画面のグラフで確認でき、本人は健康管理がしやすくなる。
家族も数値に異変があれば駆けつけられるし医療機関などに連絡できる。
OKIは異常を検知すれば医療機関や自治体などにメールで知らせるサービスも検討する。