社説幼保の縦割りなくし待機児童を減らせ

2014.01.24

社説幼保の縦割りなくし待機児童を減らせ(朝日新聞1・24) 


保育所に入れない待機児童の解消などを目指す新しい子育て支援制度の枠組みが、ほぼ固まった。
今後、各地の自治体で、具体的な計画づくりや先行的な取り組みが本格的に始まる。

 だが、新制度は内容が非常に複雑で分かりにくく、幼稚園と保育所の一体化がどこまで進むかも未知数だ。

限りがある予算のなかで、親子に必要な支援がより届く制度にしていくためには、議論を深める必要がある。

 2012年に法案が成立し、政府の会議が具体的な仕組みを検討してきた。

消費税増税分から7000億円を投じ、15年度から始まる予定だ。自治体は地域の保護者への調査をもとに、必要なサービスの量の見込みと、どう確保するかをまとめた計画を立てる。

 新制度では、パートタイマーとして短時間働く人も保育所の利用対象であることが明確にされた。

新たに公費による補助の対象となる小規模保育など新しいサービスの基準も決まった。
大規模な保育所より機動的に整備できるため、自治体が上手に組み合わせることで地域の実情に応じた受け皿を増やしやすくなる。

 今後の鍵となるのは、幼稚園と保育所の機能を併せ持つ「認定こども園」がどこまで増えるかどうかだろう。

保育所不足や幼稚園の定員割れ対策として06年に国の制度になったが、幼稚園は文部科学省、保育所は厚生労働省という二重行政はそのままで、普及は遅れていた。

 幼稚園と保育所の垣根が高いままでは、地域の人材も施設も効率的に生かせない。

今回、課題を見直す形でこども園の新たな基準が設けられ、15年度から再スタートを切る。
だがこども園に移行するかどうかは任意で、増えるかどうか疑問視する声も強い。

しかも株式会社には参入制限がある。

 女性の生き方は多様であり、例えば専業主婦が新たに働きに出るなど状況も変わりやすい。

親が働いているかどうかにかかわらず、同じ場所で子どもが質の高い教育と保育を受けられるようにすることが、時代に合っているのではないか。

 新しい制度では、幼稚園、保育所、こども園へのお金の流れは原則として一本化されるが、例外も残る。

国や自治体の体制を含め、保護者にとってより分かりやすく、利用しやすい制度にしていくことが欠かせない。