迫る2025ショック)「在宅医療と看取り」アンケート:下 

2014.01.18

迫る2025ショック)「在宅医療と看取り」アンケート:下 /神奈川県
2014.01.17 朝日新聞



 「在宅医療と看取(みと)り」をテーマに、朝日新聞横浜総局と横浜内科学会が共同で実施したアンケート。結果から見えた課題を、宮川政昭・同学会会長に聞いた。


 このアンケートからまず見えてくるのは、在宅医たちが、患者が急変した時に必ず預かってくれる「後方支援病院」を求めている、ということだ。

 今は病院経営の観点から、在宅患者の受け入れに消極的な病院も多い。だがこれからは、「地域医療を支える」という意識をもってほしい。

それには、在宅患者を受け入れると診療報酬が手厚くなる、などの政策的な誘導も必要だろう。

 受け入れてくれる病院が確保できれば、在宅医療に踏み出す医師は増えてくる。

その結果として、患者や家族も安心して在宅医療を受けられるようになる。

 ただ、医療職や介護職だけでは、これからの「多死時代」には対応できない。

社会全体で支える仕組みづくりが必要だ。

 宗教家や哲学者、ボランティアらを含め、いわば「日本総動員」で連携していくことが大切だ。

例えば、大学の哲学科の学生がボランティアで在宅患者の自宅に行って話を聞いたり、死について語ったりすることも有意義だろう。

 患者と家族の意識改革も大切だ。「24時間365日、1日でも命を延ばす」という発想だけでなく、「自然死という方法もある」ということを理解する必要がある。

アンケートの中にも「病院と同様の手厚いケアを望んでいるが、それは難しい」「終末期、食べられないときや発熱時に『点滴してほしい』など、社会通念が変わらない限り、在宅医療に踏み込めない。終末期の症状は生理現象であり、医療の介入は必要最低限でよい」などの声があった。

 看取りを経験した家族らを講師に招いてシンポジウムを開くなど、地道に啓発をしていくべきだろう。

 もちろん「在宅死」がすべて「善」というわけではない。基本は患者と家族の意思が尊重されるべきだが、独り暮らしの高齢者の場合は、それぞれの自宅ではなく、サービス付き高齢者住宅などに集まってもらった方が、本人にとっても、ケアする側にとってもメリットが大きい。また、医療的ケアが必要な人の中には、医師が常駐する「療養病床」に入った方がいい人もいる。

 最終的には、患者と家族が、死に対して覚悟を決めることが大切になる。