東京・首都圏経済地域の支え合い、都会でも 野村総合研究所顧問 増田寛也氏

2014.01.09

東京・首都圏経済地域の支え合い、都会でも 野村総合研究所顧問 増田寛也氏 (日本経済新聞 1・9)


 ――人口問題は地方のほうが深刻だというイメージがあります。


 「人がいなくなる地方も問題だが、高齢者の増加で医療・介護の脆弱性が際立っているのが(1都3県の)東京圏。一番大変だという認識だ。

地価が高く施設を作るのは難しい。

介護人材も不足するが、そこで地方から若者を集めると、東京が人口のブラックホールみたいになる。
こうした問題が東京五輪後しばらくすると出てくる」

 ――知事や大臣時代はどのような対策をとりましたか。

 「地方については、これ以上、若い人が東京に出て行かないよう、広域自治体が連携し自立できる経済圏を作ることに力を入れた。
地方の中核都市で若者の流出を食い止めるダム機能だ」

 「ただ、高齢者が大幅に増える東京圏での対策は大変難しい。
ボランティアによる配食サービスを手掛けるなど、助け合いの仕組みが必要だが……」

 ――人間関係が希薄な都会で可能でしょうか。

 「半ば絶望的な気持ちもあるが、公的な仕組みだけで支えることは到底できない。
いざというときの通報など、地方にはまだ残る地域の見守り・支え合いを地道に作るしかない」

 「若い人を呼び込むとか出生率を上げるとかいっても(若い女性の)ボリュームが減っては変わりはない。

欧州は子育て支援にお金を使った上に移民が多い。まずはこの問題の深刻さを理解してほしい。

自治体もその事実を冷静に伝え、2040年くらいまでの予測を作り、住民参加で話し合う。先送りするほど選択肢が無くなる」