新型出生前診断、中国企業が既に実施 学会は注意喚起

2013.12.24

新型出生前診断、中国企業が既に実施 学会は注意喚起
2013年12月22日朝日新聞

妊婦の血液で胎児の染色体異常を調べる新型出生前診断について、日本で営業活動を始めた中国BGI社に医療機関から数十件の問い合わせがあり、すでに一部で検査を行ったことが分かった。

十分な遺伝カウンセリング(遺伝相談)なしに検査が広がりかねないとして、日本医学会は23日に会見し、指針を守るよう注意喚起する。

 中国BGI社の関連会社BGIヘルスジャパン(神戸市)の劉建楠社長が朝日新聞の取材に応じ、複数の病院やクリニックと1件約10万円で検査の契約を結んだことを明らかにした。

すでに、採取した血液を香港の事業所に郵送し、これまでに結果が出た検査はすべて陰性だったという。
具体的な施設名や数は明かしていないが、日本医学会が審査して、遺伝相談が整っていると認定した医療機関は含まれていないと認めた。

 同社は今月から関東や関西地方を中心に、産婦人科の医療機関を調べて資料を送付。
これまでに数十件の問い合わせがあり、担当者が出向き、費用や検査方法を説明しているという。

 血液だけで利用できる新型出生前診断は、結果によって、十分な情報と知識なしに人工妊娠中絶につながりかねない可能性が否定できない。

このため、日本産科婦人科学会(日産婦)は3月、この検査の実施施設は、常勤の小児科医の勤務や遺伝に関する専門外来の設置などを要件にする指針をまとめた。
この指針をもとに日本医学会が実施施設を認定している。

 しかし、同社が契約した医療機関はいずれも、学会の認定施設ではないという。
劉社長は「学会の認定施設ではないが、小児科医がいて、遺伝カウンセリング体制が整っているところと契約している。学会の指針には賛成だ」と話した。

 現時点で、学会が認定していない施設の検査を請け負った理由については答えなかった。
国内では遺伝相談の専門家の育成は遅れがちで、総合病院でも専門家がいる施設は少ないのが実情だ。

 日本医学会の「遺伝子・健康・社会」検討委員会は、このままではBGI社の検査が野放しに広がりかねないと判断。
23日に都内で緊急の記者会見を開き、日産婦の指針や、慎重な実施を求めた厚生労働省の通知を守るよう呼びかけることを決めた。
この検査は採血だけで可能で、産婦人科医以外にも広がる可能性があるため、国内118の学会を束ねる日本医学会が呼びかけることにした。

 日産婦の小西郁生理事長は「新型出生前診断を提供する企業や実施する医療機関は、ルールにのっとって実施して欲しい」と話す。http://jams.med.or.jp/rinshobukai_ghs/pressconf_0301.html