若手医師確保へ奥の手 ロボット導入・総合診療科設置...病院の魅力アップ /茨城県

2013.12.10

若手医師確保へ奥の手 ロボット導入・総合診療科設置…病院の魅力アップ /茨城県
2013.12.08 朝日新聞



 人口10万人あたりの医師数158人、全国ワースト2(2010年、厚生労働省調べ)――。

医師不足が深刻な県内で、若手医師の確保に力を入れる病院が目立ってきた。医療用ロボットを導入したり、研修医の育成制度を独自に整備したりして、病院の魅力アップに知恵を絞る。


 県立中央病院(笠間市)は、内視鏡手術支援ロボット「ダヴィンチ」を9月に導入。前立腺がん治療で威力を発揮している。

 ダヴィンチには内視鏡や電気メスなどの手術器具が取り付けてある。医師はモニターの画像を見ながら、4本のロボットアームを遠隔操作する。
開腹手術に比べて傷口が小さくて済み、患者の負担を軽くできる。

 7月現在、全国120以上の病院で導入されているが、県内ではここと日立製作所日立総合病院(日立市)だけ。
県立中央病院が3億7千万円もかけて導入したのは、患者に高度医療を提供するだけでなく、若手医師を引きつけようという狙いもある。

 永井秀雄院長は「いい病院にするには、いい医師をそろえることが大事。
最新の医療機器を整備すれば、当院に魅力を感じる医師も増えるはず」と明かす。

 同院はほかにも腫瘍(しゅよう)の大きさに合わせて放射線の強度を変えられる「強度変調放射線治療(IMRT)」や腎臓がんを冷凍治療する機器など、高性能の医療機器を次々と導入している。

 一方、水戸協同病院(水戸市)は、研修医の臨床研修先として人気が高まっている。
すでに来春の研修医を定員8人分すべて確保し、県内では数少ない定員充足率100%を誇る。

 同院は、筑波大付属病院と提携した水戸地域医療教育センターの機能もあり、研修医育成のために国内では珍しい「総合診療科」が設置されている。
内科の各専門の垣根を取り払い、一つの診療科とすることで、あらゆる病気の可能性を探り、多角的な治療ができるといった利点がある。

 このシステムにより、研修3年目以降の後期研修医なら年間600例の救急治療、500例の内科外来治療を経験できるという。

 渡辺重行センター長は「これだけの数をこなせば、研修医はどんな疾患にも対応できるようになる。
ここまで医師としての総合的な技量を身につけられる病院は全国的にも少ないだろう」と若手医師の定着に自信を見せる。(川崎友水)