RSウイルス感染症に関するQ&A(平成25年9月25日)厚生労働省

2013.11.29

RSウイルス感染症に関するQ&A(平成25年9月25日)厚生労働省


Q3
 RSウイルスはどのように感染しますか。
A3
 RSウイルス感染症はRSウイルスに感染している人が咳やくしゃみ、又は会話をした際に飛び散るしぶきを浴びて吸い込む飛まつ感染や、

感染している人との直接の濃厚接触や、ウイルスがついている手指や物品(ドアノブ、手すり、スイッチ、机、椅子、おもちゃ、コップ等)を触ったり又はなめたりすることによる間接的な接触感染で感染します

国立感染症研究所 ホームページ:IDWR2013年第36号<注目すべき感染症>RSウイルス感染症参照 )。




http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/rs_qa.html



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親の65%が知らない、乳児にとって最も危険な感染症・RSウイルスの対策とは?
   松永早弥香  [2013/08/28]
 
 
  東京女子医科大学東医療センターの長谷川久弥先生
 

感染症の中で最も頻度の高い重要な病気と言えば、インフルエンザを想起する人が多いだろう。
しかし、乳幼児に関していうと、重病化のリスクが高いのみならず、一生にも影響する感染症として、医師は「RSウイルス感染症」への注意を促している。

では実際、どのような感染症で、どう予防・治療ができるのだろうか。


初期症状は風邪と同じ

そもそも、「RSウイルス」とは何か。東京女子医科大学東医療センター・周産期新生児診療部の長谷川久弥先生によると、感染すると咳(せき)や鼻水、発熱などと通常の風邪と同じ症状(上気道炎)に加え、ゼーゼーという雑音を含む喘鳴(ぜんめい)や陥没(かんぼつ)呼吸が見られる症状(下気道炎)だという。

大人が感染した場合、症状は風邪程度で収まるが、乳児の場合は下気道炎にまで重症になりやすく、乳幼児期の呼吸器感染症としては最も重要な疾患とされている。


米国で1990年~1998年に集計されたデータによると、全体ではインフルエンザ患者の方が死亡者が多いが、1歳未満ではRSウイルス患者の方が死亡者が多いという報告もある。


  また、RSウイルスは永続性抗体をつくりにくいため、現在、有効なワクチンがなく、何回も感染する恐れがある。

加えて、将来的に肺機能に影響を及ぼすため、喘息(ぜんそく)になりやすく、気道が閉塞状態になる「慢性閉塞性肺疾患(COPD)」のリスクを高めてしまう可能性が指摘されている。



2013年の感染は過去最高を予想

RSウイルスは、本州では9月~3月にかけて活発になる。近年、RSウイルス患者は増えており、2012年は過去最高の患者数となった。
2013年は2012年のペースを越えており、既に過去最高になることが予想されている。


 
進入経路は通常のウイルスと同様、鼻粘膜や眼瞼結膜(がんけんけつまく)からで、接触・飛沫(ひまつ)によって感染する。
潜伏期間は2~8日(平均4~5日)であり、排出は通常入院後より5~12日だが、1週間で排出されるインフルエンザと異なり、長い例では3週間以上かかる場合があるという。

医薬品企業であるアッヴィは2013年6月に、2歳未満の乳幼児を持つ両親1,030人(母親824人、父親206人)を対象に、乳幼児の感染症に関する調査を実施した。その調査では、RSウイルス感染症がどのような症状なのかを理解している人は37.1%にとどまり、名前は聞いたことがあるという人は41.7%、知らないという人は23.2%で、6割以上の人がどんな症状なのかを知らないという結果となった。


 うがい・手洗いとともに受診の判断も

長谷川先生はRSウイルス感染症が重病化しやすいリスク要因として、「早産児もしくは在胎期間が35週以下」「気管支肺異形成症(BPD)」「先天性心疾患(CHD)」「免疫不全」「染色体異常」を挙げている。
その他、日常生活におけるリスク要因は以下である。


・兄弟姉妹がいる
 ・保育施設を利用している
 ・家族に喫煙者がいる
 ・男児である
 ・RSウイルス流行期前半に出生している
 ・母乳保育期間が短い
.

これらの項目は、RSウイルスが接触・飛沫によって感染することや、呼吸系を弱めてしまう原因であること、また、免疫力の低下などが背景にある。
特に乳幼児は家族内感染が主な感染ルートとなるので、注意が必要である。
では実際、どのようにして予防・対策ができるのか。長谷川先生は以下の方法を推奨している。

・家族全員に手洗いを励行する
 ・親子ともに、風邪を引いた人との接触を避ける
 ・特にRSウイルス流行期には、次のような場所・行動を避ける
 - 受動喫煙の環境
  - 人の出入りの多い場所
  - 保育所の利用
  - 乳幼児と兄弟(学童、幼稚園児)との接触

・室内を適度な温度(26~28度)、湿度(40%以上)に保ち、こまめに換気・掃除をして清潔を保つ
 
・感染しやすい乳幼児の寝室を他の家族と別にする
 
・先天性心疾患や慢性肺疾患など、ハイリスク乳幼児の風邪症状に留意し、症状が認められたら直ちに受診させる
.

健康保険が適用される場合もある

初期症状は風邪と同様のため、RSウイルス感染症か判断に迷ったときは、病院で検査することも大切だ。現状、RSウイルスに対するワクチンはないが、感染後の重症化を防ぐ注射薬「パリビズマブ(商品名:シナジス)」は日本でも認可されている。この注射薬は毎月の投与が必要となり、医療費も高額(生後3カ月・6kgの乳児への投与は1回15万2,000円程度)となるが、早産児や先天性心疾患などのリスクファクターを有する乳児に対しては、健康保険が適用される。

注射薬の投与が受けられる病院は、スモールベイビー.comより検索することができる。長谷川先生によると、RSウイルスは乳幼児の時期における感染数が多いほど、将来的な肺機能障害へのリスクが高まるため、とりわけ2歳未満の乳幼児に対しては、インフルエンザ以上に予防を徹底する必要があるという。流行期を迎える前に乳幼児をとりまく環境を見直し、適切な対策を心がけたい。