徳田ファミリー支配崩壊 毅議員姉逮捕 病院関係者「刷新を」

2013.11.13

徳田ファミリー支配崩壊 毅議員姉逮捕 病院関係者「刷新を」
2013.11.12 読売新聞



 日本最大級の医療グループ「徳洲会」の公職選挙法違反事件で12日、徳田毅(たけし)衆院議員(42)(鹿児島2区)の姉2人とグループ幹部4人が逮捕された。選挙運動に動員した職員は563人、違法な運動報酬は計約1億4750万円相当。

異例の大規模な組織ぐるみの選挙違反で、「徳田ファミリー」によるグループ支配は崩れた。全国の系列病院関係者からは、グループの刷新を求める声が上がった。〈本文記事1面〉

 「選挙違反は徳田家の意向をくんで組織的に行われたことは間違いないのに、親族は『病院関係者が独自の判断でやっていた』と責任転嫁している。

許せない」。

東北地方の病院長はそう言って憤った。病院長は「親族は関連法人も自分たちの財布代わりにしていた。
逮捕を機に全容を解明してもらいたい」と話す。

 昨年の選挙応援に行った北海道のグループ職員は「グループが患者のためではなく、(毅議員の父親の)徳田虎雄前理事長や幹部のためにあるという意識が強くなりすぎた結果だ。

今後は、徳洲会の本来の理念に立ち戻り、患者のための病院経営を行っていくべきだ」と強調した。

 一方で、グループが担ってきた地域医療への影響を懸念する声も聞かれた。

 関東地方の病院長は「現場の職員らに少なからず動揺があると懸念している。しかし、患者たちへの医療に影響がないようにしっかりと手当てしなければいけない」と話した。

関東の系列病院の男性事務長も「病院を経営していく中で、汚点がついてしまった。信頼を取り戻すためには、病院として、目の前の医療をしっかりとやっていくしかない」と自分に言い聞かせるように話した。

 ◆姉2人 選挙運動積極関与

 グループ創業者の徳田虎雄容疑者(75)の長女・越沢徳美(なるみ)(50)、次女・スターン美千代(46)両容疑者は、いずれもグループの選挙運動に積極的に関与してきた。

 関係者によると、越沢容疑者は昨年12月の衆院選当時、グループ関連会社の中核企業「株式会社徳洲会」の社長、美千代容疑者は別の不動産管理会社の社長をそれぞれ務めていた。

 2人は解散直後に鹿児島市内で開かれた派遣態勢を決める幹部会議にも出席。

会議の模様はテレビカメラを通じて神奈川県鎌倉市の病院にいる虎雄容疑者に伝えられ、虎雄容疑者が「前回の得票を超えろ」などと指示を出すこともあった。

 2人はその後、12月16日の投開票までの約1か月間、鹿児島市や鹿児島県指宿市などの選挙区に入り、選挙事務所で毎朝晩行われた選挙運動の報告会でも、職員らに具体的な指示を飛ばしていた。美千代容疑者は、毅議員の選挙資金を管理していたとの証言もある。

 一方、逮捕されたグループ幹部の石川一郎(58)、桶谷義一郎(69)、屋田正彦(69)の3容疑者は選挙当時、それぞれ選挙区内の鹿児島市、指宿市、鹿児島県奄美市の3か所に設けられた選挙事務所で選挙運動を統括。北口浩孝容疑者(53)はグループ東京本部の幹部で、病院職員を選挙運動に従事させる際に「欠勤扱い」とするよう指示した文書の作成に関与したとされる。

 ◆鹿児島 驚き広がる

 徳田議員の姉2人らが公職選挙法違反容疑で逮捕されたことに、徳田議員の地元、鹿児島では驚きが広がった。

 自民党鹿児島県連の鶴田志郎幹事長(県議)は「突然のことで驚いている。一連の事件では徳田議員からまだ説明がなく、推移を見守るしかない」と困惑した様子。

 昨年12月の衆院選で徳田議員の選挙を支援した同党県議は「政府の来年度予算編成で、(徳田議員の選挙区の)奄美への交付金などに影響が出ないか心配だ。

徳田議員は有権者に説明責任を果たすべきだ」と語った。別の同党県議は「厳しいが、親族が逮捕された以上、一日も早く本人が身を処すべきだ」と述べた。

 ◆東京本部捜索

 医療グループ徳洲会東京本部(東京都千代田区)には12日朝から、東京地検特捜部の係官らが捜索に入り、事務職員らの机の引き出しを確認したり、ロッカーから書類を取り出したりするなどしていた。