「院内助産」好評...山形県内初の日本海総合病院

2013.11.05

「院内助産」好評…山形県内初の日本海総合病院

・・・助産師が、妊婦健診から出産、産後ケアまでを一貫して担当・・・
2011-12-15 読売新聞

 
山形県酒田市の日本海総合病院が今年度から始めた県内初の「院内助産」が好評だ。

助産師が、妊婦健診から出産、産後ケアまでを一貫して担当。慢性的な産科医不足対策として期待されているが、利用した母親らからは、「自分のペースで、満足のいくお産が出来た」「病院なのにアットホームな雰囲気で赤ちゃんを産めた」などの声が寄せられている。

国は2008年から、産科医不足や出産施設の減少、母親のニーズの多様化などを背景に、院内助産所などの開設を促す事業を開始。

厚生労働省によると、今年4月現在、全国で院内助産を導入している病院は計73か所になり増加傾向という。

県内でも、産科医の地域偏在や、看板を下ろす産科病院が目立つ。日本助産師会県支部によると、県内には、出産を扱える助産所はなく、院内助産への期待が集まっているという。

今年3月に策定された「県周産期医療体制整備計画」では、助産師の資質向上と役割拡充を明記。

今年度から院内助産などを紹介する研修会を始めている。

年間500件前後のお産を扱う同病院では、「助産師が自らの判断で、母親に寄り添ったお産を進めたい」と、昨年秋から準備を進めてきた。

同院では、「妊娠の経過に異常がない」「助産師外来での説明と同意」「担当助産師の経験が50例上」などの基準を設置。緊急時は、院内の産科医に相談する体制を整えた。

助産師約20人が当面は、日中限定で院内助産に対応している。

これまでに利用したのは計9人。
このうち、助産師の佐藤雅子さん(32)は3人の赤ちゃんを取り上げた。

5月に女児を出産した女性(31)は最初、陣痛がなかなか来なかった。

通常、子宮の入り口が開いてきている場合は、薬剤で人工的に陣痛を引き起こすが、助産師は処方を行うことができない。そこで佐藤さんは、自然なお産を進めようとマッサージを施行。

歩行を促すなどし、陣痛が強まるのを待った。

出血もなく、落ち着いた雰囲気のままお産は進み、出産後、女性は「ゆっくり産むことができた」と満足そうだったという。

院内助産を希望する母親は、妊娠36週以降、週に一度、妊婦健診を受け、希望するお産計画を作成。「夫にへその緒を切ってほしい」「子供たちにも立ち会ってほしい」など具体的な希望を聞き取る。

出産時の体勢も、母親が自由に選び、分娩の不安に対しても丁寧に相談に応じている。

ただ、出産に医師が立ち会わない分、助産師の責任は増す。

佐藤さんは、「やりがいは大きいが、『怖い』という思いもある。勉強を重ねたい」と力を込めた。

助産師の上野美紀さん(38)によると、「医師に取り上げてほしい」「助産師だけでは心配だ」という母親の声もあるが、一度出産を経験した人を中心に、「家族が参加した自分らしいお産にしたい」と、希望する母親が多いという。

上野さんは、「できる限り母親のニーズに寄り添っていきたい」と話していた。