「周辺自治体も負担を」東金の新病院救急部門の赤字、県など15市町村に要請

2013.11.01

「周辺自治体も負担を」東金の新病院救急部門の赤字、県など15市町村に要請/千葉県
2013.10.31 朝日新聞 



 重症の救急患者に対応する医療機関として、東金市と九十九里町が来年4月に設置する東千葉メディカルセンター(東金市)の収支計画説明会が30日、あった。

県と両市町は、救急医療部門は赤字が継続する見通しを示し、補填(ほてん)のため地元17市町村による負担金の拠出を求めた。
二つの算定方式を提案し、今年度末の地元合意をめざすという。


 新病院のメディカルセンターは、来年3月で閉院する県立東金病院の一般医療を引き継ぐとともに、命に危険のある重症患者を24時間体制で受け入れる「3次救急医療」の拠点となる。

 県などはこの日、新病院がカバーする山武長生夷隅の保健医療圏17市町村の担当者を集めた説明会を東金市役所で開催。
新病院の2014~17年度の収支計画を初めて示した。

 それによると、単年度収支は、病院全体で3年間は赤字が続き、4年目に2千万円の純利益を確保して黒字に転換するという。
だが、一般医療を除く救急医療は、4年目でも約5千万円の赤字となり、「県内にある他の3次救急医療機関と同じように、救急部門だけ分離して黒字になることは厳しい」(県医療整備課)と説明した。

 続いて、救急医療の赤字を埋めるため、周辺市町村に財政支援を求め、分担方式として2案を提示した。

 一つはあらかじめ定額を出し合う形で、もう一つは収支不足に応じ、その半分を設置者の2市町が負担し、残り半分を2市町を除く全体で出し合う形という。
いずれも自治体ごとの住民の利用率に基づき算定する。

 ただ、出席者にはとまどいも見られた。
同保健医療圏は県内9圏域で最大の1100平方キロ。南北に長く、周辺部は別の救急医療機関の方が近くなる。
「住民はすでに既存病院とのつながりが濃い」(市町村担当者)という事情もあり、新方式がすんなりと合意に至るかは不透明だ。

 さらに今回の行方は、3次救急医療の公立病院から、地方独立行政法人への移行議論が浮上する旭中央病院(旭市)など、公立病院の独法化の動きにも影響を与えそうだ。

 県と2市町は、今年度中に2案のいずれかで合意をとりつけ、協定書を締結したい考えだ。
県健康福祉政策課は「周辺市町村で支えてほしい」と話し、必要に応じて各首長に説明して理解を求めていくという。

 (宮崎健)


 ◆キーワード

 <東千葉メディカルセンター> 圏央道・東金インターチェンジそばに東金市と九十九里町が設置し、地方独立行政法人の東金九十九里地域医療センターが運営する救命救急機能を備えた医療機関。
2016年度末には診療23科、病床数314、医師・看護師計333人になる計画。総事業費約140億円は2市町と県が負担している。