「病院完結型」医療から「地域完結型」医療へ――消費税引き上げを前提とした社会保障制度改革

2013.10.29

「病院完結型」医療から「地域完結型」医療へ――消費税引き上げを前提とした社会保障制度改革
2013.10.28 The Doctor


「フリーアクセス」の維持に向けて「緩やかなゲートキーパー機能」
 
具体的な改革方針としては、救命・延命や治癒、社会復帰を前提とした「病院完結型」の医療から、患者の住み慣れた地域や自宅で生活するための医療、地域全体で治療・支援する「地域完結型」医療への転換を提言。


改革の実現に向けた取組みとして、医療機関が持つ医療機能の情報を都道府県に報告する「病床機能報告制度」に関して、「早期に導入する必要がある」と主張する。

医療機関から報告を受ける都道府県に対しては、「地域にふさわしいバランスの取れた医療機能ごとの医療の必要量を示す地域医療ビジョンの策定」を求めたほか、提供サービスのあり方を「地域完結型」に変更するための政策手段として、「全国一律に設定される診療・介護報酬とは別の財政支援の手法が不可欠」との見方に立ち、補助金を活用した基金方式の検討も挙げている。
 

医療のあり方自体に関しても変化を要求する。総合的な診療能力を持つ医師(総合診療医)を地域医療の核に位置付け、「専門性を評価する取組みを支援するとともに、その養成と国民への周知を図ることが重要」と指摘。

「総合診療医」の養成と併せて、医療職種の職務見直しを通じたチーム医療の確立や、医療従事者の勤務環境の改善、看護師の新たな養成制度の創設などの必要性も掲げている。

 患者のニーズに見合った医療提供体制の構築に向けては、「医療機関に対する資源配分に濃淡をつけざるを得ない」として医療費の効率化も提言。

患者が受診する医療機関を自由に選べる「フリーアクセス」を維持するため、「緩やかなゲートキーパー機能を備えた『かかりつけ医』の普及は必須」とし、具体的な施策として、紹介状を持たない患者の大病院での外来受診について、選定療養費の対象となっている初再診料への定額自己負担の導入を求めた。
 

現在1割負担となっている70~74歳の窓口負担に関しては、政府の規定方針通りに2割に引き上げる時期について「早期の結論を得るべき」と指摘。
引き上げに際しては、新たに70歳に到達する人から段階的に進めることが妥当とした。
高額療養費制度にも触れ、「現行の仕組みは一般所得者の所得区分の年収幅が大きいため、中低所得者の負担が重くなっている」と分析し、より細かな所得区分の見直しを要求している。