町側が妥協策の条例 院長、辞任方針変えず 松前病院問題 /北海道

2013.10.29

町側が妥協策の条例 院長、辞任方針変えず 松前病院問題 /北海道
2013.10.28朝日新聞




 松前町立松前病院の運営をめぐり町と院長らが対立している問題で、町側は妥協策となる条例案を成立させた。

ただ事態打開の見通しはたっておらず、地域医療の拠点病院に頼ってきた住民は不安を募らせている。


 町議会で25日、質疑なしに全会一致で可決、成立した条例は、定年を迎えた病院の前事務局長を非常勤参与として雇用できる内容。

 対立の発端は昨年11月、今春に定年することになっていた事務局長の定年延長を木村真司院長が石山英雄町長に申し入れたことだ。

赤字続きだった松前病院は「全科診療医」体制導入など様々な改革で、2008年度から黒字に転換した。木村院長は改革の推進役だったとして事務局長を高く評価していた。

 しかし石山町長が定年延長を拒否。

道庁の仲裁で、非常勤嘱託員として採用できる条例改正をすることなどを盛り込んだ覚書を両者で作成したが、必要な条例改正案が町議会で否決されるなど、混乱が深まった。

町長や町議会に不信を募らせた木村院長が来年3月で退職する旨の辞職願を9月下旬に町長に出し、部下の医師も相次いで院長に辞表を提出し、常勤医10人のうち7人が来年3月でやめることを表明した。

 今回成立した条例はこうした事態の打開をめざしたもので、石山町長は「院長に残ってもらえる環境を整備するため」と説明する。

しかし木村院長は「今まで反対してきた議案について何の議論もなく、全会一致で可決した町議会の姿勢に大きな疑問を抱く」と話し、辞任の方針を変えていない。

 松前病院はへき地医療のモデルケースとして全国に知られる。地域唯一の有床病院として、隣の福島町からも患者が来る。

地域医療の拠点が失われかねない事態に町民らが「松前病院を守る会」(高山智代表)を23日に正式に発足させた。

 「患者や家族の不安の声をよく聞く。

このままでは町の医療が崩壊する」と同会副代表で地元薬局の薬剤師の川内谷直志さん(49)は言う。

「木村院長が来てから、病院で人工透析ができるようになった。
『また函館の病院まで行かなければならない』という心配の声が上がっている。
訪問診療や24時間救急体制もどうなるのかと、不安に思う町民も多い」と話している。

 (植村隆)


http://www.e-matsumae.com/hospital/plan.htm