〔ミセス通信〕今週のテーマ 名医にかかりたい!

2013.10.24

〔ミセス通信〕今週のテーマ 名医にかかりたい!
2013.11.03 サンデー毎日 

 テレビでよく紹介される、いわゆる「神の手」を持つスーパードクターにかかりたい。
しかし、その術(すべ)がない、というお手紙がありましたが、ホントですよね。
かかりつけの先生が紹介状を書いてくれたらいいけれど、外国在住の名医も少なくないし……。


 15年前のこと。当時60歳の父が突然意識を失い、救急車で近くの公立病院に運ばれました。
「クモ膜下出血で重体。もう一度血管が破裂したら命が危ない」と医師から説明があり、すぐに緊急手術が行われました。

 家族は大パニック! さらに「次の血管が破れないようにクリップで留める手術をすれば、あと1カ月は持ちますよ」と言われ、長男は「すぐにでも手術してください」とお願いしました。
ところが母は「もう、これ以上お父さんの頭を切り刻まれのはイヤだ。そっとしておいてください」と頭を下げるのでした。

 医師から「手術をしないと1週間も持ちませんよ」と言われましたが、父は倒れてから1カ月後に息を引き取りました。
家族は「手術をしてもしなくても、寿命に変わりはなかったのでは?」と思いましたが、医師には言いませんでした。

 今でも父の法事の度に、この迷医(めいい)のことが話題になります。(兵庫県・迷医は迷惑!・48歳・主婦)


 人生の一大事にどういう選択をしたらいいのかを考える「チョイス@病気になったとき」という番組(NHK Eテレ)がありますが、大変なチョイスでしたね。


 娘はアレルギー性の鼻炎で、小さい頃からいつも鼻がグズグズしていた。
症状がひどくなると近所のかかりつけ病院で診てもらっていたのだが、あまり改善しなかった。

 ある時、近所の人に何気なくそのことを言うと「2時間は待つけれど、見立てのいい病院があるよ」と教えてくれた。
すると、一緒に話を聞いていた当時小1の娘が、自分をそこに連れて行ってくれと訴えるのだった。

 話の通り2時間ほど待たされ、診察してもらったら、アレルギー性鼻炎ではなく、副鼻腔(ふくびくう)炎とのこと。耳鼻科と連携しての治療が始まり、数回の通院で症状はピタッと治まった。
その時、娘が言った「お母さん、空気の匂いがするよ」という言葉にびっくりした。
授業中、シーンとした教室で鼻をすすることもできず、大変だったとか。たかが鼻水と軽く扱っていたことを反省するばかりだった。

 以来、娘は「どんなに待たされてもいいから」と、家を離れるまでずっとその先生にかかっていた。(長崎県・反省母さん・54歳・主婦)


 早くに「見立てのいい」先生にかかることができて良かったですね。ウチは治さないまま大人になり、今や鼻グズグズ男子……。誰かに話してみること、大事です!


 数年前、母がギラン・バレー症候群となった。
入院中、目の焦点が合わなくなり、眼科にかかりたいと訴えた結果、わかったのだ。
内科の先生は退院してから受診すればいいと言った。その通りにしていたら手遅れになり、歩けなくなっていたかもしれない。

 また、私が激しい頭痛で受診した別の病院では、特に検査もせず、年齢から更年期症状と判断されたことがあった。後日、産婦人科で検査を受けたが女性ホルモン値の低下は認められなかった。

 近頃は聴診器を使う医者が少なくなった。
デジタルの数値から診断することはできても、聴診器で何かを判断することができなくなっているのかもしれない。
医者からすればやりにくいかもしれないが、患者もさまざまな知識を身につける必要があると思う。
自分の専門に固執し、他の病気の可能性を疑わない医者にかかったら最悪だ。

 名医とは、謙虚で、必要があれば進んでセカンドオピニオンを勧めてくれるようなドクターのことだと私は思う。(愛知県・黒衣のおばさん・49歳・主婦)


「気のせい」などと頭から決めつけられるのは困りますね。どうにも診断が納得できず、いわゆるドクターショッピングをして、ついに心臓病であることがわかった、という方も。


 何をもって「名医」とするかは、人それぞれだと思う。「話を最後までじっくり聞いてくれる」「最新の治療を実践してくれる」などなど、患者の求めているものは千差万別だろうから、名医の定義も難しい。

 大病を患い、病院と縁の切れない私は、数多くの医師と出会った。そして、ドクターといい人間関係を築くには、患者側も賢くなければいけないということを学習した。

 何しろ相手は毎日毎日、大勢の患者を診ているのだ。要領よく話をまとめ、ムダな時間を取らせない。
こちらの要求ばかり押しつけずに、相手に最大限の敬意を表する。

 これらのことに気をつけていれば、医者との関係はうまくいくと長年の経験からわかった。名医にかかれるかどうかは、こちら側の心構えにもかかっていると思う。(東京都・病院大好き・50歳・主婦)


 確かに、自分のことばかりで、まず人として大事な「敬意を表する」こと、忘れがちです。目の前のドクターは、宿直明けで疲労困憊(こんぱい)かもしれないのに……。


「ベン・ケーシー」に始まり、「ブラック・ジャック」「ドクター・ハウス」など、多くのスーパードクターを漫画やドラマで知った。
感動すると同時に、彼らの奇跡的な医療技術に魅入られた。自分が大病を患った時は、ぜひ彼らに登場願いたい。だが現実はそんな奇跡は起こらない。

 私の主治医は片田舎の老医師。
祖父から三代にわたってお世話になっている。
御年80歳。
引退しておかしくない年齢だが、まだまだ元気だ。
腹痛や発熱など、彼の前に座れば「大丈夫や」のひと言で吹っ飛んでしまう。内視鏡の操作も手慣れたもので、苦痛はほとんど感じない。

 考えてみれば凄腕(すごうで)の医者である。
子供たちも小さい頃から老医師に診てもらい、無事に成長して今では立派な社会人だ。
身近すぎてわからなかったが、あの口の悪い平凡な老医師こそ、わが名医といえるかも。(兵庫県・齋藤恒義・64歳・パート)


 長~いお付き合いなんですね。家族構成や性格もよく知っていて「不調の原因は心配事」な~んてことも見抜いてくださるかも。理想の“かかりつけ名医”です。