終末期患者 延命 15病院が中止 本紙調査 本人・家族の希望で

2013.10.22

終末期患者 延命 15病院が中止 本紙調査 本人・家族の希望で
2013.10.21 読売新聞


 全国53か所の救命救急センターが最近1年間で、回復の見込みがない終末期患者の人工呼吸器または人工心肺の中止を検討し、約3割にあたる15病院が実際に中止したことが読売新聞の調査で分かった。

 多くのセンターが延命措置の中止に慎重な姿勢を取る一方で、患者と家族の希望をくんで中止に踏み切る環境が一部の病院で整っている現状が明らかになった。

 調査は8月、生死に関わる最重症患者を受け入れる全国の救命救急センター262か所に対し、救命できなくなった患者の延命措置について尋ねるアンケートを実施、168病院(64%)から回答があった。

 人工呼吸器または人工心肺の延命措置を中止したのは、市立札幌病院、済生会滋賀県病院(栗東市)など15病院。
中止した患者数は、人数を回答しなかった2病院を除く13病院の合計で32人だった。

 中止した病院への追加アンケートには7病院が回答。患者18人中、どんな終末期医療を受けたいかを文書で記した「リビング・ウィル」を持っていた患者は都内の公立病院の3人で、残り15人は家族が本人の意思を推量する形で中止していた。

 国内では、人工呼吸器を止めた医師を警察が殺人容疑で書類送検した経緯があり、医療現場では延命措置を続けるケースが多い。

 前田正一・慶応大准教授(医事法、医療倫理)の話「人工呼吸などの延命措置の中止について、公表してもいいと考える医師が増えてきた印象を受けた。
病院は、患者や家族の希望にこたえられる終末期医療の仕組み作りを進めるべきだ」


 〈人工呼吸器・人工心肺の中止〉

 呼吸や心臓の機能が自力で保てない患者は、人工呼吸器や人工心肺が止まると数分から数時間で死亡する。
延命措置の中止にはこのほか、人工透析、血圧を上げる昇圧薬の投与、水分・栄養補給をやめることなども含まれる。