医師不足はワースト3 独法化で再建、再編も特集 頼れる病院ランキング

2013.10.21

医師不足はワースト3 独法化で再建、再編も特集 頼れる病院ランキング (4/5)
2013.10.26 週刊ダイヤモンド


千葉県は、埼玉県と鏡合わせの状況にある。
人口10万人当たり医師数は埼玉県に続いて茨城県(同158・0人)、千葉県(同164・3人)が低く、ワースト3を首都圏が占める。
千葉県では、特に房総半島で深刻な医師不足に陥っている。

 08年に経営難で休止した銚子市立病院(旧銚子市立総合病院)は10年に再開するも現在の稼働病床数は50床程度。

隣町の国保旭中央病院は昨年から内科医不足のため救急車の受け入れを制限している。
県境にある茨城県の鹿島労災病院は旭中央の負担を軽減する立場にあったが今春、常勤医の大量退職が起きた。

 山武市にある旧国保成東病院は、06年に内科医9人が全員退職し、救急輪番から撤退した。

坂本昭雄理事長は、「救急医療をこれ以上続けると事故を起こすか、医師が健康を損なうところまで追い込まれた」と当時を振り返る。

 きっかけは隣町にある県立東金病院が医師不足により救急車受け入れを減らした分を旧成東が負担したことにあり、激務が続いた医師の不満と疲労が限界を超えた。

地域の中でどの病院もぎりぎりの状態で現場を回しており、1カ所が転べばドミノ倒し式に影響は広がる。

 その後、旧成東は地方独立行政法人化し、現在はさんむ医療センターとして再建を図っている。

 公務員ではなくなった職員の年功序列を廃止し、優秀な若手に役職をつけるなど実力主義の評価体系に変えた。
材料費率はコストダウンの結果、20%以下に削減された。

 さらに看護学部を誘致し、奨学金をつけて、看護師の安定確保に取り組む。
病院の前には職員の子どもを預かる「こども園」を開設し、職員が働きやすい環境を整えた。

 リハビリに力を入れ順調に収益を拡大させており、目下の課題は築45年となった病棟の移転・建て替えだ。

隣の東金市に来春、東千葉メディカルセンターが開設されるため、「患者の奪い合いになる可能性は高い」と椎名千収・山武市長。
将来への投資をどうするべきかを探っている。

 東千葉メディカルは東金市と九十九里町による独立行政法人が運営するもので3次救急を行う予定だ。

当初の新設構想から10年の間に構成市町村が次々と変わるなど紆余曲折があったものの、病院建設場所だけは変わらず、千葉市に接する山中の工業団地内にある土地だ。高齢者が徒歩や自転車で通える立地ではなく、「場所ありきのハコモノ」とやゆされてきたが、ついに開院までこぎ着けた。

 「急性期を続けるか、それともリハビリや緩和ケア、在宅医療に特化するか東千葉メディカルの救急への取り組み具合で、さんむ医療の身の振り方も変わる」と言う坂本理事長。

生き残りを懸けて旭中央との経営統合も模索している。