<統合に揺れる地域医療 北播磨公立病院の選択>

2013.10.02

<統合に揺れる地域医療 北播磨公立病院の選択>

加西病院 山邊裕さん
2013.09.30神戸新聞



▼加西病院 山邊裕さん


診療所との連携維持へ


 -開院の影響は。

 「各病院は地域医療の中核的な役割を果たしながら診療所と連携している。
連携がやりにくくならないか、各病院は警戒している。患者も医療者も減れば医療提供が難しくなるが、一方で地域を離れられない患者もいる。
救急では、全体の体制が先細りしている。
小野と三木の分以上の力をセンターが発揮してくれれば、負荷が減って継続しやすくなる」

 -今後の加西病院は。

 「機能分担や集中がいわれるが、都会と違い、隣の病院まで車で30分かかる加西周辺では、機能が減れば、患者が病院に行かなくなる。
慢性期の医療を担う診療所と連携し、地域完結型の医療をするためにも、少なくとも、今ある体制の維持は絶対のことだと思う」
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 三木、小野両市の統合病院「北播磨総合医療センター」が10月1日に開院する。
北播磨医療圏では、救急をはじめ、さまざまな分野で各公立病院は協力しながら地域医療を守っている。
西脇、加西、加東の各病院長に、同センター開院の影響や今後の病院運営などについて話を聞いた。(聞き手・高田康夫)


▼加東市民病院 金岡保さん


新たな圏域の核、歓迎


 -今後の病院は。

 「団塊の世代が75歳を超える2025年をゴールと考え、後期高齢者を中心に、医療と介護の両輪で支えていく。
外来や手術、入院治療は続けるが、現在不足しているのは介護分野。
院内に介護部門を置きたい。遠くの先端医療の病院に行くことのできない住民の健康や尊厳を守るために税金は使われるべきだ。
地域の診療所と連携し、切れ目のない医療、介護を進める」

 -開院の受け止めは。

 「手いっぱいだったところに、多くの医師を抱えたセンターができ、市立病院が本来責任を持って診療しなければならない患者への対応ができる。
加古川に続き、圏域の核となるセンターがまた一つできたことは、大変結構なことだと思う」


▼西脇病院 大洞慶郎さん


「北の拠点」の充実図る


 -開院の受け止めは。

 「中核病院構想時にはすでに西脇病院の改築が始まっており、北の拠点が西脇、南は三木と小野が一緒になった。
北の拠点として負けないよう充実させたい。助け合いながら伸びていけたら」

 -危機感は。

 「狭い北播磨で影響が出る可能性もあり、職員が頑張っている。
西脇病院では、特徴的な診療科を充実する必要がある。糖尿病の透析では昔からの実績がある。脳外科には医師が7人もおり、特殊な手術もできる」

 -西脇病院の向かう方向は。

 「特殊な診療も強化しながら、市民の一般診療も満足させる。そのかじ取りが難しい。
病院の意向だけでなく、市民が何を期待するかにかかっている」