徳洲会理事長、選挙運動を指示か 病室へ選対会議中継

2013.09.20

 

徳洲会理事長、選挙運動を指示か 病室へ選対会議中継
 (朝日新聞9・19)

医療法人「徳洲会」グループをめぐる、昨年12月の衆院選での公職選挙法違反容疑事件で、徳田虎雄理事長(75)が入院中の病院から、選挙運動を具体的に指示した疑いのあることが朝日新聞社の調べでわかった。

次男の毅衆院議員(42)の選挙事務所で連日開かれた対策会議では、公選法が禁じる戸別訪問の結果などが報告され、その映像が虎雄理事長の病室に生中継されていたという。
 
対策会議に出席していたグループ病院の現職職員の男性が、朝日新聞社に証言した。

男性は「対策会議には毅議員が参加したこともあった」と話している。
 
証言によると、毅議員の選挙区である鹿児島市内の事務所では、11月16日の衆院解散後に活動が本格化。公示後も含め、対策会議は毎日午前7時からの朝礼、午後8時からは終礼の形で開かれ、全国の病院などから派遣された100人前後が集められた。

午後9時からは、病院幹部や選挙運動の地区責任者など30~40人の幹部会として開かれた。
 
事務所後方にカメラが設置され、すべての対策会議は、虎雄理事長がいる神奈川県鎌倉市の病院の病室に中継されていた。
虎雄理事長は全身の運動神経が衰える筋萎縮性側索硬化症を発症し、言葉を発せない。
文字盤上の文字を目で追い、その動きを秘書役が読み取って意思を伝達している。
 
会議では、正面に座った虎雄理事長の親族やグループ幹部に対し、地区担当者らが、その日に実施した戸別訪問などの結果を次々と報告。

有権者の感触を「◎、○、△、×」の4段階で分析し、予想される得票数を集計していった。
 
会議中、親族らの携帯電話が鳴り、「いま、理事長から電話がありました」として、「三つの重点地区で完全勝利をしろ」「今までで最高の得票で勝つように」など「理事長の指示」を伝達することもあった。
 
期日前投票について親族が「足が悪くて選挙に行けない高齢者がいるなら、なんで車に乗せて連れて行かないの」と、職員をしかる場面もあったという。
 
男性は「親族やグループ幹部が、まるでカメラの向こうの理事長にアピールしているかのように感じた」と話した。
 
投開票の9日前、衆参各議員の政治資金収支報告書をもとに集計した年間の資金収集力で、毅氏が1位になったと報道された。
終礼では1枚の紙が配られ、「徳洲会の力があれば資金収集力で1位になれる」「自民党内に徳田派を作り(毅氏が)総理大臣になるのも夢ではない」などと書かれていた。
親族が「理事長の声」として紹介。
紙は直後に回収されたという。
 「
患者のために働くはずの職員が、一族の野望のために使われている。徳洲会はこのままではダメになる」。男性は危機感を覚えたという。
 徳洲会では、毅議員の選挙運動に専従させるため、職員を欠勤させて選挙区に派遣し、減額された給与などを賞与で補填(ほてん)していた運動員買収容疑が浮上。東京地検特捜部も家宅捜索など強制捜査に乗り出した。