胃ろう、回復見込めない人に6割 研究機関、情報分析 本来は一時的な栄養補給手段

2013.09.17

胃ろう、回復見込めない人に6割 研究機関、情報分析 本来は一時的な栄養補給手段(朝日新聞9・13)
 

口から食べられなくなったお年寄りらの胃に直接栄養を送る胃ろう。

本来、回復する見込みのある人への一時的な栄養補給手段だが、実際には約6割で回復の可能性がない人につけられていることが、医療経済研究機構の調査でわかった。
 
厚生労働省の補助金を受けて、昨年12月~今年1月、全国約800の病院、約1360の介護施設から回答を得て分析した。

胃ろうにした1467人の患者情報が集まった。約2千人の家族から回答があった。
 
胃ろうをつけた時点で将来、口から食べるよう回復する可能性があったのは24%で、可能性なしは59%を占めた。
つけた後にはのみ込みの訓練が必要だが、訓練を受けた患者は全体の49%にとどまった。
 
胃ろうにした時に困ったことを家族に聞くと、「本人の気持ちがわからなかった」が55%、「時間的余裕がなかった」が31%。胃ろうにしてよかったことは、「生きていてうれしい」が63%、良くないことは「本人が幸せかわからない」が59%だった。
 
胃ろうなどの人工栄養について、日本老年医学会が昨年、苦痛が増えるなど患者の人生に有益でないと判断される場合には、差し控えや中止も選択肢とする指針をまとめている。
 
調査を担当した飯島節・国立障害者リハビリテーションセンター自立支援局長は「後先考えずに胃ろうにするのは問題だ。
回復の見込みがある場合につけ、適切なリハビリをするという正しい使い方をしてほしい」と話す。(辻外記子)