看護師就業、最多15人 修学資金を活用 今年度、奥能登の4公立病院 6年で42人 石川県、定着へ後押し 

2013.09.08

看護師就業、最多15人 修学資金を活用 今年度、奥能登の4公立病院 6年で42人 石川県、定着へ後押し 
2013.09.04 北国新聞 

 能登北部地域(奥能登)で、県の修学資金を利用した看護師の新規就業が急増している。

今年度は単年度で最多の15人が4公立病院で採用された。2008(平成20)年度に、修学資金貸与者の就業が始まって以降、通算の採用者は42人に上る。

今後は若手看護師の離職対策が課題で、県は研修充実やマニュアル作りなど定着に向けた取り組みを後押しする。


 修学資金は看護学生を対象に月額10万円を貸与し、2~4年程度の貸付期間と同期間、奥能登の医療機関で勤務すれば、返還が免除される仕組み。

07年度に創設され、08年度以降に4公立病院で採用された看護師48人の大半を、修学資金の貸与者で占めている。

 貸し付けは毎年10人程度を募集していたが、10年度から国の交付金を活用して募集枠を20人に拡大。来年度以降も年間10人台の採用が見込まれる。

07年度以前の5年間に4病院で就業した看護師は合計でも13人にとどまっていた。

●マニュアル作成へ

 今後は返還免除に必要な就業期間を終える看護師が増え、せっかく奥能登で確保した若手をつなぎ止める手だてが必要となってくる。

 このため、県は今年度から、各病院で看護技術を学ぶ研修プログラムの開発や、指導マニュアルの作成に向けた意見交換会を開催しており、「若手看護師が継続して就業できる環境を整えたい」(医療対策課)としている。


■〔視点〕 大量退職へ「まだ足りぬ」

 奥能登の若手看護師の確保に加え、定着策にも県が力を注ぐのは、これからの大量退職に備えるためだ。

 県によると、昨年12月時点の県内の看護師は約1万5600人で、うち奥能登は約740人。
人口10万人当たりで換算すると、県全体は1346人だが、奥能登は1031人と少なく、慢性的に不足している。

 さらに、50歳以上の看護師の比率は、県全体が20・9%なのに対し奥能登は42・1%と高い。
看護師不足の状況下で、大量退職が本格化すれば、奥能登の医療体制を脅かしかねない。

 4公立病院の看護師は400人ほどで、毎年10人台の新規採用が続けば、構成年齢の平準化につながるものの、「まだまだ足りない」(医療関係者)との声も聞く。

幸い、修学資金を利用して奥能登勤務を希望する看護師は地元出身者が多く、定着の素地はある。

 修学資金はあくまで呼び水であり、肝心なのは地元に戻った若手をいかに定着させるかだ。研修などで仕事へのモチベーションを高めるとともに、職場と地域になじんでもらう工夫が必要となろう。(山本佳久)

北國新聞社