いわき市長選、新病院計画が争点に 推進・再検討・白紙撤回... /福島県

2013.09.07

いわき市長選、新病院計画が争点に 推進・再検討・白紙撤回… /福島県
2013.09.06 朝日新聞



 双葉郡の避難指示区域も含む地域医療の中核を担ってきた、いわき市立総合磐城共立病院の建て替え計画(事業費約227億円)についての評価が、8日投開票のいわき市長選の候補者によって分かれている。

双葉郡などからの約2万4千人の避難者を受け入れた市と周辺の将来の人口の動きをどう読んで、医師確保の課題もある新病院の青写真を描くのか。
その選択は有権者にも委ねられている。

 市の基本計画によると、同病院の老朽化に伴い、新病院は今の駐車場に建設される。建物は免震構造とするほか、一度に多数の患者を受け入れる災害時病床機能を持たせ、屋上にヘリポートも設ける。

全体のベッド数は地域の人口減、平均在院日数の減少やベッド利用率の向上を見込んで670床規模(現在828床)に縮小。

一方で集中治療室や産科病棟は増床する。
最終的なベッド数は避難者数の動向をみながら決める。早期完成を求める市民の声を受け、当初より完成時期を2年前倒しし、2016年度内とした。

 市の計画について、4人の候補者の評価はそれぞれ「推進」「再検討」「白紙撤回」「まだ評価できない」とばらばらだ。

 現職で再選を目指す渡辺敬夫氏(67)は、先進医療や救急医療の質向上を強調、将来的な人口減少などを考慮した市の基本計画を推進する。

「双葉郡も含めた浜通り医療圏の高度医療も担う地域完結型の医療体制を構築していく」と訴える。
医師不足への対応には「東北大や県立医大との関係をさらに強化する」。

 新顔で前県議の清水敏男氏(50)はベッド数減に慎重な姿勢だ。
「双葉郡からの方々を受け入れている最大の自治体として、ベッド数を減らすことの是非を含め、新病院のあり方を再検討する」とし、医師確保のため「国の責任で医師を派遣するシステムを構築する。
市独自の優遇制度を創設する」とする。

 新顔で元衆院議員の宇佐美登氏(46)はベッド増を主張する。
「縮小・弱体化させるいまの計画は白紙撤回する」「1千床以上の近代的病院を造る。
病院・医療でまちおこしを図るべきだ」との考えだ。医師確保のため「市独自の奨学金制度を導入する。人脈・知識を生かし、国や大学病院と連携する」としている。

 新顔で教会伝道者の五十嵐義隆氏(35)は「まだ評価しにくい」。
「救命救急医療を充実させたい」とし、医師確保では「他施設との連携で医師の労働時間の負担を減らし、給料評価を積極的に見直して医師たちのモチベーションを保つ。医師教育システムで成功した外部からサポートを受ける」と主張している。

 (江川慎太郎)