社会保険二本松病院の必要医師の確保を図り、来年4月以降も周産期医療及び現在の診療体制の継続を求める意見書

2013.09.24

社会保険二本松病院の必要医師の確保を図り、来年4月以降も周産期医療及び現在の診療体制の継続を求める意見書

昨年6月17日に社会保険病院・厚生年金病院・船員保険病院を引き続き公的な施設として存続させる「独立行政法人地域医療機能推進機構法(年金・健康保険福祉施設整理機構の一部を改正する法律)」が成立し、社会保険二本松病院は、平成26年4月1日の施行日から独立行政法人地域医療機能推進機構に移行することになっている。

移行するまでは、「年金・健康保険福祉施設整理機構(RFO)」が所有し、社団法人全国社会保険協会連合会(全社運)が委託され管理してる。

二本松病院は今、地域医療の中で担っている周産期医療や人工透析・内科・外科・泌尿器科・小児科・整形外科等各科の診療体制、及び夜間も含む救急診療などの医療体制は、移行後もそのまま継続されていくべきものである。
そして、これこそが住民が求める医療であり、地域住民の多様なニーズに応える医療である。

しかし、施行前のその過程の中で、来年3月までは妊婦検診は行うものの、同年4月以降は出産予約は受け付けず、「産科を休診」するとされている。

しかも、産科医の後任補充や診療再開の方向はまだ決まっていない。
二本松市は大震災と原発事故で多くの避難者を受入れ、また逆に県外に避難している子どもたちもいる地域だからこそ二本松病院の産科継続は必要不可欠であり、同時に現在の診療体制の継続も欠かすことができないものである。

よって、国においては、二本松市の地域医療体制継続のため、次の措置を講ずるよう強く要望する。

1 退職医師の後任補充を行い、必要医師を確保し、来年4月1日以降も引き続き分娩可能な診療体制を維持し、二本松市における唯一の周産期医療の拠点病院として継続できるようにすること。

2 社会保険二本松病院が新機構に移行した後も、現在の診療体制をこれまでどおり継続すること。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成24年10月11日
衆議院議長
参議院議長あて
内閣総理大臣
厚生労働大臣
福島県議会議長斎藤健治

http://wwwcms.pref.fukushima.jp/download/2/2409iken11.pdf

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二本松の産科休診/周産期医療の拠点守りたい(福島民友社説/2012/9/16 )

 
福島県内で医師不足が深刻化する中、二本松市の「社会保険二本松病院」の産婦人科が2013年4月から休診することになった。常勤医師が来年3月末で退職することになり、現時点で後任の医師が確保できていないのが理由だ。

 同病院は安達地方の中核医療機関で、二本松市では唯一、周産期医療を行っている。
休診となれば、市内で出産できる医療機関がなくなることになる。
妊婦にとって、地元で出産できない不安は計り知れないだろう。
医師不足に拍車が掛かるのは残念でならない。何とか後任医師を早期に確保して、安達地方の周産期医療の拠点を守ってもらいたい。

 周産期は、妊娠22週から生後7日未満までの期間を指す。
この間は母体、胎児や新生児の生命に関わる事態が発生する可能性がある。
このため、周産期とその前後を含めた周産期医療は、母子の健康を守るために極めて重要な対策だ。

 安達地方では毎年、二本松市の約400人を含む新生児700人以上が出生しており、同病院では過半数の出産を扱ってきた。
休診となれば二本松市だけに限らず、同地方全体にも大きな影響を及ぼすだろう。

 産婦人科医の確保を求める市の要望に対して、県は最優先で取り組む姿勢を示している。
厚生労働省も調査に乗り出す。
関係機関が一丸となって、同病院の産婦人科医の確保に全力を挙げてもらいたい。

 県内では、産婦人科がなく、地元で出産ができない状況が続いている地域もある。
例えば南会津郡の妊婦は、会津若松市などで出産するしかない。
出産の前に郡内から会津若松市に移り住んで出産する女性もいるなど、妊婦や家族は大きな負担を強いられている。

 二本松病院の産婦人科は、来年3月までは妊婦健診を行うが、4月以降の出産予約は受け付けていない。
休診となれば、安達地方の妊産婦は福島市や本宮市、郡山市などで診療を受けることになるだろう。

 医療機関を替えなければならない女性も出てくるはずだ。
医療機関同士や医師会が連携して対応しなければならない。

 本県の医師不足は早くから深刻な課題だった。
さらに、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の影響で、多くの医師が古里を離れていった。
少しずつだが回復しているとはいえ、改善の道のりは険しい。

 とりわけ、産婦人科医の確保は、どこの県でも難しい状況となっているという。
少子化が社会問題となる中、安心して妊娠、出産できない環境がどんどん増えていくのは、悪循環としか言わざるを得ない。

 原発事故では大勢の子どもたちが県外へと避難した。将来を託す子どもたちを古里で産み、育てることができる環境を取り戻したい。
 
 

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【二本松の産科休診】安心して産める態勢を
(2013年2月9日 福島民報). 


二本松市内で出産を担ってきた社会保険二本松病院が4月から産科を休診することになった。
常勤の医師が3月末で退職し、後任は決まっていないためだ。
4月以降に出産を予定している市内の妊婦は市外に出なければならない。妊婦のみならず家族にとっても大きな負担となる。
  
二本松病院では、平成22年度に約400人の出産があった。
同市を含む安達地方の出産の半数を超える。
長く担当してきた医師が退職することが昨年夏に分かり、住民、自治体に大きな衝撃を与えた。
  
同市は「二本松病院は地域の周産期医療の拠点。
地元で出産できなくなると影響が大きい」として、国、二本松病院の上部組織に当たる全国社会保険協会連合会に医師確保を要望した。

同市、本宮市、大玉村からなる安達地方市町村会も同じ趣旨の要望書を県に提出した。
  
これに対して県側は「簡単に見つかる状況ではない」と厳しい状況にあることを伝えている。産婦人科医が全国的に不足している中で、本県は対出生数当たりの医師数が全国平均を下回っているため、県内のほかの医療機関から二本松病院に医師を回す余裕がないためだ。
  
産婦人科医の不足を解消し負担を軽くするため、特定の病院に医師を集約することも検討課題となっている。
その場合は、お産できる医療機関はかなり限られてしまう。
  もちろん、県は支援する姿勢を示している。
二本松病院自体も手をこまねいていたわけではない。

さまざまなルートで県外からの医師探しに全力を挙げているが、後任確保のめどはついていない。
産婦人科医がどこでも足りない上、

(1)東京電力福島第一原発事故による放射線問題で本県に移りたがらない

(2)県立大野病院であった医療事故で産婦人科医が無罪となったが逮捕、起訴された-ことなども妨げになっているようだ。
  
八方ふさがりだが、二本松病院は産科を廃止せず、今後も医師確保を目指す。
病院側の努力を見守りたい。
  県は、取りまとめを進めている第六次県医療計画の中で産婦人科医の確保と育成を打ち出している。

医師の処遇改善を図る医療機関への支援、病院と診療所の連携による医師の負担軽減、福島医大での修学資金による医師の確保-などである。具体化を急いでほしい。
  地元住民は産婦人科医の確保を求めて署名活動を展開している。県民が安心して暮らせるためには、身近なところで出産できる態勢を維持、充実したい。(佐藤 晴雄)

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社会保険二本松病院の存続と充実を求める意見書http://wwwcms.pref.fukushima.jp/download/2/2102iken06.pdf