医師確保へ留学制度 橋本市民病院、内科医不足解消に /和歌山県

2013.08.28

医師確保へ留学制度 橋本市民病院、内科医不足解消に /和歌山県
2013.08.27 朝日新聞



 内科医不足に悩む橋本市民病院(橋本市小峰台2丁目)は7月から、医師の海外留学制度を創設している。

新たに採用する内科医が対象で、留学希望を持つ医師を引きつける目玉施策にし、診療体制の立て直しにつなげたい考えだ。

 留学制度は消化器、糖尿病、代謝、呼吸器、腎臓、救急の6分野の内科医に適用する。

採用後、市民病院に3年間勤務することが条件で、留学期間は原則1年、希望で2年間まで延ばすことができる。

留学中も病院職員として年間給与約1千万円(留学2年の場合は半額)を支給。
さらに県外からの採用者には200万円を限度に引っ越し費用を負担するなど、手厚い制度が特徴だ。

 市民病院には歯科医2人と臨床研修医を除いて医師43人が在籍するが、内科医は12人と少ない。

このため当直は外科医と比べて負担が大きく、本来の病床300床を維持できず、274床に縮小して運用している。

さらに医師全体も不足していることから来年4月に稼働予定の集中治療室(ICU)も十分な体制が組めないため、設備を持ちながら1ランク下の高度治療室(HCU)として運用せざるをえない事態になっている。

 市民病院によると、県立医大に医師派遣を求めているが、遠隔地のため応じる医局員がなく、民間病院の医師からは給与差がネックとなって医師が不足。

このまま放置すると地域医療の拠点が崩壊するとの危機感を抱き、対策に乗り出した。

すでに県外の医科大などへ出向いて制度のPRを始めている。民間の医師紹介会社から数件の問い合わせがあったという。

 市民病院の上垣芳樹総務課長(52)によると、医師の留学制度は県内では初めてといい、「一人でも多くの内科医が増えることを願っており、ぜひ新制度を活用してほしい」と話している。(中田和宏)