市立三笠病院 医師刺殺*精神科外来 当面通常通り*後任探し急務*来月半ば以降未定

2013.08.24

市立三笠病院 医師刺殺*精神科外来 当面通常通り*後任探し急務*来月半ば以降未定
2013.08.23 北海道新聞 


 【三笠】市立三笠総合病院で精神神経科の医師宮下均さんが患者に刺殺された事件を受け、同病院は22日、精神神経科外来を休診にした。
23日は札医大の出張医が通常通りに診察する。
同病院の川崎君王院長らが代わりとなる医師探しに入っている。
9月第2週までは札医大が出張医の派遣を増やして週5日の外来診療を維持できるが、それ以降の診療態勢は不透明だ。(鬼頭良幸、坂本有香)

 同病院の精神神経科は、常勤の宮下さんが月・水・木曜に、札医大からの出張医が火・金曜に診察していた。三笠署は22日に同病院で現場検証し、同科の外来は休診になった。病院職員は診察を予約していた患者に休診を連絡するなど、対応に追われた。

 同病院の要請を受け、札医大は来週から3週間、臨時的に出張医を週5日派遣するという。

 同科の入院患者は現在56人で、現時点では出張医が対応する方針。
夜間や土日曜に、入院患者の容体が悪化した場合に備え、近隣の病院にも電話相談などで支援してもらえるよう要望している。

 岩見沢保健所によると、市立三笠総合病院は南空知の精神科救急を輪番で担う病院の一つ。
月1回程度、休日や夜間の救急患者を受け入れていた。9月は岩見沢市内の病院が臨時的に担当する。

 現在、川崎院長らが後任の医師を探している。
川崎院長は「医師を確保するのは、普通でも簡単ではなく、こんな事件があれば、なおさら難しい。(宮下医師を殺害した男に対して)地域医療を崩壊させかねず、強い憤りを感じる」と厳しい表情で語った。

 同病院の診療科目は、精神神経科のほか、内科や外科など13科目(199床)。精神神経科以外の科は通常の診療を続けている。

*「偏見生む」関係者危惧*管内病院は対応策検討

 市立三笠総合病院で精神神経科の医師が診察中の患者に刺殺された事件は、管内の医療関係者にも波紋を広げている。
各医療機関が対策を検討し始める一方、関係者からは「疾患への誤解や偏見が生まれかねない」と危惧する声も上がっている。

 砂川市立病院事務局は「近隣の病院での事件で、衝撃を受けている」と声を落とす。
同病院では精神科の医師や看護師は、非常時に警備員の詰め所などに通報を送る「呼び出しブザー」を携帯しているという。
「精神科に限らず起きる可能性があるので、病院全体の対策を検討する必要がある」と強調する。

 中空知のある病院関係者も「現在はブザーを導入していないが、他人ごとではないので何らかの対応が必要になるだろう」と話す。

 市立三笠総合病院では、精神神経科の診察室に緊急用の通報ブザーを設置していた。
事件発生時、異変に気付いた看護師がブザーを押そうとしたが、誤って横の火災警報器を操作し混乱を招いた。同病院事務局の担当者は「今後、今回の経緯を検証し、対応を考えていかなければならない」と厳しい表情で語った。

 こうした状況の中、精神保健福祉に携わる関係者らは、今回の事件が精神科や精神疾患へのイメージを悪化させかねないと不安を抱く。
岩見沢保健所健康推進課の立花八寿子課長は「障害と向き合いながら地域で頑張って生活している人もたくさんいる。
精神障害者は怖いという誤った認識が生まれないか心配。障害への理解を深めてほしい」と訴えている