精神病床の機能3タイプに 社会的入院解消へ議論スタート

2013.08.02

精神病床の機能3タイプに 社会的入院解消へ議論スタート
2013.08.02 週刊環境新聞社


 厚生労働省の第1回「精神障害者に対する医療の提供を確保するための指針等に関する検討会」が7月26日、都内で開催された。
来年4月に施行される改正精神保健福祉法で新たに策定する指針の内容について、検討や意見交換が行われた。

 議論となっているのは、精神障害者の病状に応じた支援を行っていくとする「精神病床の機能分化」。

現在、精神科病院の新規入院患者のうち、約9割は1年未満で退院している一方、1年以上の長期入院患者は約65%。

 こうした現状を踏まえ、検討会では入院期間を「3カ月未満」「3カ月~1年未満」「重度かつ慢性」の3タイプに分類し、それぞれの期間に応じた対応策を示した。

 新たな入院患者については原則1年で退院させ、訪問や通院などの入院外治療に移行させるしくみをつくる。

重度かつ慢性の患者には一般病床と同様の人員体制で治療を行い、地域支援への移行を検討。

退院後の訪問支援やデイケアなど入院外医療の充実を図り、医療と福祉の複合的なサービスを提供するとしている。 

一方、現在の長期入院患者については、退院・生活支援に重点を置いた人員体制を整え、地域支援への移行を促進する。入院の必要がないにもかかわらず、家族など在宅でケアする担い手がいないため、長期入院を続ける「社会的入院」を解消し、精神病床の減少を目指す。

 検討会委員のヒアリングや意見交換では、国立精神・神経医療研究センターの伊藤弘人委員が、地域への移行を進めるため、医療や福祉、介護など治療の選択肢を広げる重要性を指摘した。

早期退院が可能な患者には早い段階で入院を受け入れ、手厚い人員で治療を行い退院につなげるとし、長期療養患者についても徐々に訪問支援などを行うことで退院を促し、通院や地域支援への移行促進を提示した。

 近森病院の近森正幸委員は「機能分化には地域医療との連携が不可欠。

そのためには医師や看護師、ケアマネジャーなどが連携したチーム医療がなければ成り立たない」と話し、地域で連携して取り組む必要性を訴えた。

 今後、8月~9月にかけて計5回の検討会を開催する。9月に中間とりまとめを行い、12月をめどに指針案をまとめる。