医療分野の国家戦略特区、川崎・横浜も可能性

2013.07.28

医療分野の国家戦略特区、川崎・横浜も可能性(朝日新聞7・28)


インタビューに答える菅義偉官房長官=東京都千代田区
 
【山口博敬】自民党県連会長の菅義偉官房長官が朝日新聞の単独取材に応じ、安倍政権が新設する「国家戦略特区」について、医療分野の集積を進める川崎、横浜両市の臨海部も対象になりうるとの考えを示した。

「県境に意味はない。羽田空港との連携がカギ。

一緒に進めるべきだ」とも述べ、東京都大田区と一体で選ぶ可能性も示唆した。
 主なやりとりは次の通り。
 

――国家戦略特区の選定が注目される。神奈川は対象地域になるか
 「医療や介護分野の規制緩和を特区の柱にしたい。
この分野で横浜や川崎は先進的な取り組みを進めており、選定する素地は十分にできている。
東京、大阪以外にあってもいい」
 
――なぜ特区で医療、介護なのか
 「社会保障の国の負担は毎年1兆円膨らんでいる。
病気にならない取り組みに国が力を注ぐことは大切だし、国民の願いだ」
 「iPS細胞の研究で成果を出せば人類を幸せにする可能性を広げるし、国の財政負担の軽減につながる。
特区で(自由診療と保険診療を併用する)混合診療も検討しうる」

 ――ほかに神奈川が絡める分野は
 「羽田空港周辺に世界中の企業が投資したくなるビジネス環境を整備したい。
その際、大田区が進めてきた(外国企業の誘致を促すアジアヘッドクオーター)特区とは連携すべきだ。
これまでの特区は自治体の提案を国が認める形だったが、首相が主導する国家戦略特区で県境や市境に意味はない」
 「日本の企業は海外から再三、進出を促されているのに、海外の企業家は『日本から働きかけられたことはない』と口をそろえる。
海外の企業を呼び込む努力を怠ってきたことを反省しないといけない」
 ――これまで特区はなかなか成果が出なかった
 「官僚任せだと法改正を進めるうちに意味のないもの、大して効果のないものに変えてしまう。でも、もうそうはさせない」
 「官邸の求心力はすでに高かったが、参院選に勝ったことで首相がリーダーシップを発揮する環境は整った。成長戦略は日本経済を再生させる政策の要になる。目的や目標は絞り、スピード感を意識して実行に移す」
     ◇
 〈国家戦略特区〉 安倍晋三首相が6月、成長戦略の柱として創設を決めた。
自治体が発案してきた従来の特区と違い、首相が主導する。大都市などに地域を限定して、大胆な規制緩和と減税を進め、国際的なビジネス環境を整えるのが狙い。
8月中に具体的な地域を選定する予定。